鴉の学校と廃れた花園2 (ページ35)

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佐野さんがなんであんなに慌ただしく帰ってったのか、今朝のニュースを見りゃすぐにわかった
英雄さんが誰かに銃撃されたらしい
命知らずなやつがいたもんだ

何より先に思い浮かんだのは犯人よりも源治のことだ
同じ稼業の親を持つ人間として、あたしほどあいつに共感できるやつはいねえだろう
意外と繊細っぽいからなぁ、大丈夫か？ヤケ起こしてなきゃいいけど

温「おいA、聞いてんのか？」
『おぁ？』
温『…ぼーっとしてんじゃねえよ」
『悪い、考え事してた』
明「この緊急時に…」

いつもの空き教室にいつものメンツ
違うのは2年の幹部候補が全員と、1年が数人集まってるってこと

悪い知らせは続くようで、登校1番後輩から聞いた知らせ
ここにいない1年が昨日、山吹商業とか言うふざけた学校にボコられたらしい
それだけでもこっちは胸糞悪いってのに、うちを叩いてトップに立つとほざきやがったと言う

温「舐めた口きくやつらだ」
希「身の程知らずが調子乗りやがって」
滝「すいません、あたしが至らねえばっかりに…」
『お前その場にいなかったんだろ滝原、しょうがねえよ』
明「どうするA」
『どうするもこうするもやることなんか決まってんだろ』

フジジョを舐めるやつは全員必ずぶっ潰すのがあたしの決めたルール
それをよく理解してるこいつらは、やられっぱなしで大人しくしてるほど可愛い女達じゃねえ

温「そうと決まればだ、お前ら、自分とこの下に伝えろ、山吹潰すぞ」
明「今いる全員つれて乗り込んでやろう」

2人の号令に元気に返事して散らばって行こうとする後輩たち

『その必要なさそうだぜ』

窓際に置かれたソファ、あたしの定位置から見渡せる校庭には、今まさに話題の山吹商業らしき生徒がゾロゾロと入って来ていた

明「自分らから出向いてくれるなんて」
温「手間省けたな」
『行くぞ、わざわざ訪ねてきてくれてんだ、もてなしてやらねえと』