鴉の学校と廃れた花園2 (ページ33)

今日:2 hit、昨日:50 hit、合計:591 hit

32. ページ33

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜＊
鳳仙と喧嘩したことに最初は説教モードの佐野さんだったけど、あたしが父さんと同じ理由で突っ込んで行ったことを知ると、嘘のように上機嫌になった

佐「しっかしお前はほんとにいつまでたっても目の離せねえガキだな」
『悪かったって、気をつけるから』
佐「全く信用ならねえぞ」
『それ以外なんて言えってんだよ…』
佐「お前の親父も必ずそうやって言ってたんだよ、で次の日には早速喧嘩」
『…身に覚えがありすぎるな』
佐「あいつにそっくりなお前のことだ、どうせ明日には新しい傷作ってきやがるよ」
『だとしてもひでえ言いがかりだ、遺伝子から信用ならねえってか』

そのまま近況とかどうでもいい話を続けてると、普段はドアの前で待ってる部下らしき人が血相変えて入ってきた
何か耳打ちしたみたいだが、それを聞いた佐野さんの表情が一気に険しくなる
あたしに向ける優しい顔とは違って完全にヤクザ仕様だ

佐「悪いなA、急な仕事だ」
『あ？お、おう…』
佐「送ってってやれねえからな、これで帰れ」

そう言ってあたしの前に10,000円札を置く

『こんなにいらねえよ、そもそもタクシー使わなくたって帰れる』
佐「黙って受け取ってろ、小遣いだ」
『小遣いって…』
佐「じゃあなA、気をつけろよ」

後を追いながら反論するが、それを聞く暇もないようで、バタバタと店を出て車に乗り込んでった
急に1人残されて、寂しさを感じる余韻もない

いつもならアッコを呼び出すんだけどな
絡まれるとめんどうだし今日のところは大人しく帰るか

繁華街に背を向けようとすると、今1番会いたくねえ渦中の人物が目の前に立っていた

鳴「A」
『鳴海じゃねえか…』

あたしをボコボコにした鳳仙学園の頭、鳴海大我
鈴蘭のナワバリで会うとは予想外、状況を考えれば最悪だ