鴉の学校と廃れた花園2 (ページ23)

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辰「アスカ！」
明「時生…」

アスカに引きづられて歩く帰り道
暗闇から時生が駆け寄ってくる
その後ろに人影が見えるから多分あれが多摩雄だ、どう考えても不機嫌だろうな

辰「A！血だらけじゃねえか！無茶しやがって！」
『おー、時生…、悪いなあ、こんなブッサイクなツラで』
辰「お前っ…そんなこと言ってる場合かよ！」
芹「A」

ほらな、声でもうわかる
かなりご機嫌斜めだ

『あー、多摩雄？やっぱ時生と一緒だったか』
芹「鳳仙か」
『おいおい、もっと心配の言葉とか…ねえのかよ』
芹「そんなもんで足りると思ってんのか」
『ハハッ…まあ、まあそう怒んなって…お前ら…』

肩を軽く叩いてなだめるけど、全く効いてないみたいで無反応だ
そのまま腕を引かれて、体がアスカから多摩雄に引き渡されると、安心したのか力が抜けて立っていられなくなった
軽々抱えられて多摩雄の匂いに包まれる

アスカの方がいい匂いだったなぁ
でもタバコが混じりのこっちのが落ち着く

『多摩雄…血…つくぞ』
芹「気にすんな」

んなこと言ったってお前これ一張羅だろ
そう思っても言葉は出ない

ゆらゆら揺られてるとだんだん瞼が重くなってきて起きてられなくなる

疲れた、久しぶりにバケモン相手したからかな
つか多摩雄走ってきたっぽいな、シャツ、汗ばんでる
散々説教されたのに言うこと聞かなくて呆れてんだろうなぁ

『た…まお…』
芹「あ？」
『ごめん、なぁ…』

声がうまく出ねえし意識ほぼ飛び掛けだからちゃんと聞こえたかはわからねえけど、一応謝っとかねえと
多摩雄がなんか返事したけどもうなんて言ったかわかんねえや
血が気持ち悪いな、でもそんなことよりとりあえず今は寝たい