鴉の学校と廃れた花園2 (ページ16)

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多摩雄を引き剥がし、顔を洗いにベッドを抜け出す
いい加減昼だ、学校行かねえとまたアスカにどやされる
携帯の着信履歴すげえことなってたし小言言われんのは確定だ

だらだら洗面所に向かって鏡の前に立つと、そこに映る自分に驚愕した
首、肩、鎖骨の辺り一帯に赤い虫刺されのような跡、背中にまである
それが虫刺されじゃないことは自分が1番よくわかってる

『あんのやろぉ…』

撫でる手首もよく見りゃ真っ赤だ
どんな力で掴んだんだよ

芹「おいA」
『う、ひぃっ』

急に現れた多摩雄に驚いて変な声が出る
パンイチでウロウロしてんじゃねえ

芹「あ？」
『急に出てくんじゃねえ！』
芹「なに怒ってんだよ」
『うるせえな！テメェもとっとと服着ろ！』
芹「なんだっつーんだ…」

ブチブチ文句垂れながら部屋に戻る多摩雄の背中が引っ掻き傷だらけなのを見て、また体温が上がる

クッソ…変な汗かいてきた…シャワー浴びようかな…

多摩雄のアホのせいで制服が着れねえ
しゃあねえから首までチャックの上がるジャージを選ぶ
スカートは、履けそうだな…
待てよ、足にまで跡ついてんじゃねえかふざけんな

結局ジャージにスキニー、完全私物
これじゃ藤ケ丘の生徒かどうかわかんねえな
まあでも絡まれずには済むか
いや、普段制服着てんのに急にこんな格好してったらあいつら100パー勘づくよな

芹「何してんだA、置いてくぞ」

グルグル脳内会議を繰り広げていると、原因のやつが急かしにきた

『誰のせいだと思ってんだ…』
芹「あ？」
『テメェのせいで着る服に困ってんだよ！』
芹「別にいつも通りでいいじゃねえか」

なにをこいつはいけしゃあしゃあと
1発だけでいいから本気で殴らしてくれねえかな