鴉の学校と廃れた花園2 (ページ15)

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『う…ん……ぅ…』

なんの音だ
窓に…、なんか当たってんな

うっすら目を開けて音の方に目をやる
いつもは太陽に起こされるが今日はあいにく曇り空みたいだ

ああ、雨か…結構降ってんのかな…

横になったまま数分ぼーっとしてると、だんだん頭が冴えてきた
上体を軽く起こすと、多摩雄の腕が肩からずり落ち、腕の先を見ると上裸のまんま爆睡かますバカ

能天気に寝やがって、服着ろよ

そう思ってとっさに自分の格好を確認すると、キャミソールに下着のみ
人のこと言えねえじゃねえか
色々思い出して恥ずかしさで死にそうだ

喉も乾いたし一旦水でも飲んで落ち着こうとすると、今まで力無かった腕が動いた

『う、おっ？！』

可愛くない声が漏れてベッドの中に引き戻される

芹「どこいくんだ…」

シーツに埋もれて顔を上げると、起きたての多摩雄と目が合う
まだ眠そうだ

『水飲みに行くだけだよ』
芹「ん…」
『いや離せよ』
芹「ん…」
『話聞け』
芹「体…大丈夫か…」
『痛えに決まってんだろ』

労わる気があるなら最初から手加減しろよな

肩と腰に回った腕のせいで身動きが取れない
力強いんだよ、寝ぼけてるくせに

芹「その格好…目に悪いな」
『起き抜けに失礼なこと言うんじゃねえ』
芹「もっかいするか」
『バカかよ』
芹「いいじゃねえか」
『やめろ、体痛えつってんだろ』
芹「鍛え方が足りてねえな」
『腹筋割れてる女にこれ以上どうしろってんだ』

あたしの額や頬にキスしてふざけたこと抜かしやがる
調子乗んなよ、つか労わる気更々ねえなこいつ

『こんなアザだらけの体に興奮するなんて変わってんな』
芹「お前だったらなんでもいい」
『言ってて恥ずかしくねえのかそれ』

飄々としやがって、ちっとは恥じらいとか持てよ