鴉の学校と廃れた花園2 (ページ14)

今日:15 hit、昨日:50 hit、合計:604 hit

13. ページ14

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜＊
『お、まえ、が…ナガイホウガ…スキソウダッタカラ…』

腹括って発した言葉に間を開けて、でっかいため息をつかれる
そんな肩落とさなくたっていーだろ、テメェが言わせたんじゃねえか
あたしだってらしくねえことぐらいわかってんだよ

言わなきゃよかったと後悔してると、体が中に浮いた
何事かと思ったら多摩雄があたしを抱きかかえてる
それを理解したと同時に下に叩きつけられて、衝撃を覚悟した

あ？痛くねえ？なんでだ…、ベッド？床じゃなくて？

『何すん…？！』

多摩雄があたしに覆い被さる形になって逃げ場がない

近い、顔が近いんだよ、心臓のキャパ越えんだろうが

芹「なんでお前は急にそんな可愛いこと言い出すんだよ」
『か、かわ？！』

聞いたことない自分への評価にパニックになる
可愛い？誰に言ってるかわかってんのかこいつ、目腐ってるとかのレベルじゃねえぞ
つか近えんだってマジで

芹「こっちは死ぬほど我慢してんだ、もう知らねえぞ」
『は？何言って…！』

言おうとした言葉はキスで塞がれた
舌が入ってきて息がしづらい
抗議しようと腕に力を込めるけどビクともしない

『ちょっ、と、待て！待てって！』
芹「んだよ」
『まだ髪乾いてな…』
芹「それどころじゃねえ」
『…っ、う』

やっと離れたかと思ったら直接腰に手が触れる
同時に多摩雄の唇が耳やら首やらに触れてくすぐったい
話し聞けよこいつ

芹「イデッ、こら、噛むな」

身動き取れねえからせめてもと多摩雄の首に噛み付くと、ガキなだめるみてえに優しく言われるから余計に心音が上がる

芹「本気で嫌だったら殴れよ」

ギラギラした目があたしを捉えて離さない
長え付き合いだけどこんな顔は初めて見た
足に多摩雄の手が触れ、肩が跳ねる

殴れって、こっちは身動き取れねえっつーんだ

『そんな気ねえくせに言うんじゃねえよ』

緊張してんのがバレないよう言った精一杯の強がりも鼻で笑って流された

いっぱいいっぱいなのはあたしだけかよ、ムカつくな