鴉の学校と廃れた花園2 (ページ11)

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アスカが言った誰かさんってのはきっとあたしのことだな
思い当たる節があるからか、つい甘やかしてやりたくなる
でもそれじゃこいつが痛い目見ることになるからなぁ、先に止めといてやらないと
これも一種の甘やかしか？

温「おいA」
葛「それは…」
『あたしにすら勝てねえ癖にあんま舐めた口聞くんじゃねえぞ』

まあでもその反骨精神は嫌いじゃない
しっかり育ててあと半年、あたしらが抜けてから存分に暴れろ

『いいかクソガキ、天下の藤ケ丘はなぁ、命かけても負けちゃいけねんだよ』
葛「負けるつもりでここに来るやつなんていませんよ」
『ならテメェがあたしの代わりに藤ケ丘の看板背負ってくれるってのか？ん？』
葛「いつか奪い取ってやります」
『ダッハッハッハッ、お前可愛いなぁ、いつでも待ってるぜ』

しまった、つい本音が
無謀な1年の反抗を許さないと思ってた葛城含む後輩たちは唖然としてる
逆にあたしをよく知るやつは呆れ顔だ
意外と面倒見いいんだぞ？その分手間もかかるけどな

『気概は申し分ねえが今回は相手が悪い、死にたくなけりゃ黙って言うこと聞いとけ、今はな』

佐野さんがあたしにやるみたいに頭をグシャグシャにすると、不服そうに睨みながら出てった
手のかかるやつが可愛いってのはほんとだな

温「大丈夫か？あいつ」
明「まさかAの命令無視したりしないでしょうね」
希「Aさん…最近あたしの頭撫でてくれねえのに…」
温「お前だけ違う話すんじゃねえよ」
明「滝原！あんたちゃんと見ときなよ！」
滝「は、はい！そりゃもちろん！」
『大丈夫だよ、あいつは意味さえ解りゃ言うこと聞くタイプだ』
温「お、やっぱ自分と似てたらよくわかるってか？」
明「懐かしいねー、2年前のあんた」
温「つか先輩と同じこと言ってたぞ、受け売りか？」
『うるせえなぁ、もういいだろ昔の話は』
希「Aさん！あたしの方が従順で可愛いっすよね！」
明「あんたはずっと何言ってんの」

多摩雄には悪いと思ってるから無茶な喧嘩はしねえように気をつける
でもやっぱあたしはついてきてくれるこいつらが可愛いんだ
こいつら守るためなら命張ることも惜しくねえ