Jr.high 39 ページ34
その後まっすぐに家に帰ると、イサミはAからのプレゼントを手にしてタクミの部屋へと向かった。
ほんの少し、彼女からプレゼントをもらえるタクミを羨ましいと思いながら。
「って、なに考えてるんだろう」
イサミは部屋に入ると、寝ているタクミにただいまと声をかける。
「おかえり」
「熱はどう？」
「だいぶよくなったぞ」
「よかった。これ、一ノ宮さんから。」
「ありがとう。
ああ、やはり食べ物だったね。イサミが行ってくれて助かった。」
紙袋を受け取ると、さっそく中を見てそう呟くタクミ。
「ほら、イサミ」
そして綺麗にラッピングされた袋をイサミへ差し出した。
「え？せっかくなんだから兄ちゃんが開けなよ？」
「ああ、自分のはそうするさ。こっちはイサミのだ。」
受け取ると、確かにメッセージカードには"イサミくんへ"と書かれていた。
「イサミのこともちゃんと知っててくれたんだな。」
「寮の先輩に聞いたとは言ってたけど、ボクの分まで用意してくれるなんて．．」
イサミはそんなAの気持ちがとても嬉しかった。
しかし、"Aはタクミが好意を抱いている相手"であることを思い出し、はっと我に返ってしまう。
なんだか気まずくなったイサミは、飲み物をいれてくると部屋を出ていった。
「．．イサミ」
そんな弟を見て、タクミは彼の気持ちをなんとなく理解していた。
厨房へ向かったイサミは、手際よく紅茶をティーポットにそそぐ。
「あ、これも持っていこう。」
イサミはあるものを手に取り、紅茶と共にトレーにのせ部屋へと戻った。
「兄ちゃんおまたせ」
イサミはカップに紅茶をそそぎ、タクミはAからもらったラング・ド・シャをお皿に出した。
「イサミ、砂糖は？」
「今日は兄ちゃん風邪だからこっちにしようよ」
そう言うとイサミは、持ってきたハチミツを渡した。
「ハチミツか、確かにこの方がこれにも合いそうだな。」
「でしょー？ハチミツレモン！」
そしてタクミはハチミツをスプーンですくう。
その黄金色を見て、二人から自然と言葉がこぼれた。
「「彼女の瞳の色みたい」」
重なる声に、ボクたちはやっぱり双子なんだなと、イサミはおかしくて笑ってしまう。
「ふふ、ボクたちの目はしょっぱいらしいよ」
「何の話だ？」
レモンとオリーブの爽やかなイタリアの風味の中に、ハチミツの甘い香りが漂う。
それはまるで、ボクたちの心の中にキミが現れたかのようだった。
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篠。(プロフ) - マタタ火さん» マタタ火様、この件に関しては年齢の問題(R指定的な意味)もございますので、コメント欄では回答を控えさせて頂きます。どうしてもというのでれば、個人的にプロフィールからメッセージをお願い致します。 (2020年1月6日 20時) (
レス) id: 77342cf851 (このIDを非表示/違反報告)
マタタ火 - ねえ何を勘違いしたの？生で出すって本当はどういう意味？全然わかんないんだけど調べたら出てくる？ (2020年1月5日 12時) (レス) id: 917dfc6071 (このIDを非表示/違反報告)
篠。(プロフ) - タケタケさん» コメントありがとうございます！！嬉しいお言葉です〜( ≧∀≦)ノ (2019年8月18日 12時) (レス) id: 77342cf851 (このIDを非表示/違反報告)
タケタケ - つづきがきになる。 (2019年8月18日 8時) (レス) id: be34724f91 (このIDを非表示/違反報告)
篠。(プロフ) - 美咲さん» 美咲様☆コメントありがとうございます！アリスちゃんいいですよね！！早く登場させたいです〜(*^^*)これからも頑張ります！ (2019年3月11日 20時) (レス) id: 77342cf851 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：篠 | 作成日時：2018年5月17日 17時
