Jr.high 27 ページ22
一色「それで、どうしたのかな？」
一色は二人に近寄ると、Aの瞳に溜まった涙をそっと拭いながら尋ねた。
『このヤクザさんに売り飛ばされるところでした。』
「ああ？んなことしねーよ？！てか誰がヤクザだ！？」
『うぅっ』
一色は自分の背に隠れて怯えるAを優しくなだめる。
一色「Aちゃん大丈夫だよ。彼は叡山枝津也くん、僕と同じ二年生だよ。ご覧のとおり顔は怖いけど、悪い人じゃないから安心してね。」
それを聞いたAは、一色の背中からひょこっと顔を出し、叡山と呼ばれる青年を見つめた。
そんな彼女の可愛らしい行動にドキッとするも、叡山は一色の視線にも気がつき、こちらもある意味ドキッとさせられる。
一色「それで、叡山くんの目的はなんだい？」
いつものニコニコ顔からは想像できぬほど鋭い視線を向ける一色に、叡山はやれやれとため息をつく。
叡山「金になりそうな一年の噂を聞いて、どんなもんか見に来ただけだ。
おい、」
そう言うと彼はAに向かって呼びかける。
『は、はい！？』
叡山「そんなに怯えんなって。
その．．、なんつーか、」
なかなかその後の言葉を言わない叡山に、一色が変わりにこう続けた。
一色「怖い思いさせてごめんなさい、って言いたいのかな？」
叡山「ああ？！そ、いやちげーよ！！
ったく、今日は確認できたしもういいわ。」
そう言うと、叡山は舌打ちをしながら校舎に戻っていった。
一色「まったく、彼は素直じゃないな。」
『結局、何だったんでしょう？』
一色はさぁね？と答えながら、叡山の後ろ姿を見送った。
そして今度はAに目を向ける。
一色「Aちゃん、君はすでにこの学園で有名になりつつある。叡山くんが君に目を付けたのが何よりの証拠さ。」
Aちゃんのファンは多いんだよ？と笑顔で言えば、当の本人はあまり興味の無さそうに、そうなんですね？と返事をした。
『あ、お弁当まだ途中でした！』
そう言って、お弁当を広げたベンチへ駆けていく彼女を見つめながら、一色はぽつりと呟いた。
一色「僕も、いつまでも良い"先輩"でいるつもりはないよ？」
『ん？何か言いました？』
一色「何でもないよ。」
一色はいつものように、ニコニコとした優しい笑顔を浮かべAに近寄った。
一色「あーんしてあげようか？」
『いや、なんで？』
思わず突っ込みを入れる程、この先輩も変な人だと改めて実感するAであった。
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篠。(プロフ) - マタタ火さん» マタタ火様、この件に関しては年齢の問題(R指定的な意味)もございますので、コメント欄では回答を控えさせて頂きます。どうしてもというのでれば、個人的にプロフィールからメッセージをお願い致します。 (2020年1月6日 20時) (
レス) id: 77342cf851 (このIDを非表示/違反報告)
マタタ火 - ねえ何を勘違いしたの？生で出すって本当はどういう意味？全然わかんないんだけど調べたら出てくる？ (2020年1月5日 12時) (レス) id: 917dfc6071 (このIDを非表示/違反報告)
篠。(プロフ) - タケタケさん» コメントありがとうございます！！嬉しいお言葉です〜( ≧∀≦)ノ (2019年8月18日 12時) (レス) id: 77342cf851 (このIDを非表示/違反報告)
タケタケ - つづきがきになる。 (2019年8月18日 8時) (レス) id: be34724f91 (このIDを非表示/違反報告)
篠。(プロフ) - 美咲さん» 美咲様☆コメントありがとうございます！アリスちゃんいいですよね！！早く登場させたいです〜(*^^*)これからも頑張ります！ (2019年3月11日 20時) (レス) id: 77342cf851 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：篠 | 作成日時：2018年5月17日 17時
