検索窓
今日:9 hit、昨日:36 hit、合計:222,481 hit

14-5 ページ7

その後は、ピアノの効果か食事のスピードが落ち着き、調理も滞りなく進めることができた。

こうして、なんとかプレオープン初日を終えたのだった。



「厨房スタッフは昼頃に出勤だから、それまでに身支度をしておけ。シャワーは自由に使っていい。」

「うす!」

『ありがとうございます!』

「…でも大丈夫?いくらスタッフルームは男女で別れてるからって、二人で泊まり込みなんて…」


Aと創真は研修の間、寮から通うのが難しいため、スタッフルームを借りて泊まり込むことにした。
そんな二人(主にA)を心配した唯が声をかける。


「大丈夫っすよ、むしろ実家に帰ってきた気分っすわ。」

「実家?」

「どーゆうコト?」

『私たち兄妹なんです!』

「「え、兄妹!?」」

「似てねーな…」

このまさかのカミングアウトに驚く一同。
だが、兄妹ならば安心かと唯も納得をした。

「まぁ何にせよ…幸平、お前が今のままなのであれば、最終日、お前の居場所はここには無いぜ?
それと一ノ宮、ホールご苦労だったな。明日からは厨房に入ってもらう。十席の実力、期待してるぞ。」


こうして皆は帰っていった。

しかし二人は、休むまもなく厨房に立つ。

「よし、主戦力に食い込まなきゃな!」

『フランス料理の勉強だー!!』






そして翌日。

リュシとアベルが厨房に入ると、Aたちが既に待っていた。


『「おはようございます!」』

「二人とも、早いネ?」

「はい!えーっとですね、昨日失敗した食材の切り方について質問があって!」

『わたしも分からないところが…』

そしてすぐさま質問をしてくる二人に、アベルが怒りを露にした。

「あのなぁ!今から清掃と食材の仕込みだ!随分と図々しいじゃないか!これ以上君たちの為に時間を無駄には…」

そう言うアベルだったが、厨房の様子を見て言葉を失った。

清掃も、皮むきも全部済ませてあったのだ。

「……リュシ、質問に答えてやれ」

「お…オウ!」




そして開店を迎えると、厨房は再び戦場へと変化する。


「違う!やりなおせ。急げ、20秒でやれ。作業遅れてるぞ!」

「すみません!」

「A!食材の準備!」

『はい!チェックお願いします!』


この日初めて厨房に加わったAは、ミスこそ無いものの着いていくのに精一杯だった。

一方創真は、未だにミスも分からない事も多く、連日アベルを質問攻めにする。


そんな創真に呆れながらも、アベルは丁寧に付き合ってくれるのだった。

14-6→←14-4



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (136 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
297人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

篠。(プロフ) - ゆかりさん» タクミくんもカッコいいですよね〜(*´ー`*)後に活躍してもらいますね!!笑 (2019年9月17日 15時) (レス) id: 77342cf851 (このIDを非表示/違反報告)
ゆかり(プロフ) - 篠。さん» タクミくんとの絡みもきになるところです! (2019年9月16日 22時) (レス) id: 9654438337 (このIDを非表示/違反報告)
篠。(プロフ) - ゆかりさん» これからオリジナル要素が濃くなるので、原作と流れは同じですが、表現の方法や原作に描かれていない場面の設定などによって、見え方が変わってくると思います!楽しんでいただけると嬉しいです(*´・∀・`*) (2019年9月14日 19時) (レス) id: 77342cf851 (このIDを非表示/違反報告)
ゆかり(プロフ) - 原作と少し違うのが良いです! (2019年9月13日 22時) (レス) id: 9654438337 (このIDを非表示/違反報告)
篠。(プロフ) - ゆかりさん» ふふ、気合い入れて頑張りまーす(* ̄ー ̄) (2019年9月8日 22時) (レス) id: 77342cf851 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作成日時:2019年6月15日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。