ふかさわくん【紫】

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平日なのに制服に袖を通さないことも、私服で学校に向かうのも慣れていなくて新鮮だ。

学校に着くともうすでにテンションが高めなハルがいて、わたしもバーベキューの楽しみ度がアップした。


時間になり、説明を受けてから各々バスに乗り込むと早くも一番後ろを陣取っている樹くんたち。

その近くには女子が身を固めていて、やっぱりなと思わず苦笑い。


さなぴーにできるだけバーベキューのグループで固まるようにって言われてたんだけどなぁ。




「A、前座ろ」

「そうだね」




乗り込んだのが遅かったせいか、前の方しか空いてなくてそこの席にハルと座る。


出発してすぐに樹くんの大きい声やしょっぴーの笑い声、深澤くんのツッコミがここまで聞こえてくる。

それと同時に女の子の笑い声まで聞こえてきて、後ろは相当盛り上がっているらしい。




「後ろすごいね」

「ほんとに。しょっぴーもあんなんだけどモテるしね」

「ふっかも三年になってすぐなのにもう何回か呼び出されてるもんなー」

「え、そうなんだ」





やっぱり深澤くんもモテるんだ。


そりゃ、あんなに優しいからモテるか。
クレーンゲームの時といい、昨日の抹茶オレといい。

やっぱり他の子にも優しいよねって思うとなんか微妙な気持ち。


……微妙な気持ちになるのもなんか変な話だ。




「で、Aは好きな人できた？」

「いつも唐突だね。残念ながらいませーん」

「渡辺はないにしろ松村とか去年同じクラスだったし今も仲良いじゃん。どうなの？」

「北斗くん？どうなのって別にどうもないけど、」





ただ同じ図書委員で仲がいいってだけだし。

わたしがそう言うとハルはどこか嬉しそうにそっかそっかって笑う。


それより、後ろの方の盛り上がりがやっぱり気になって胸に引っかかる感じがした。

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