【呪術廻戦】愛してるって言葉ほど、意味のない言葉はない【男主】

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「大丈夫、俺がいるから」






なんで分かったんだろう。

俺はこいつに雷が怖いなんてことを言ったことはないのに

隙間なく抱き抱えられた体、こいつの腕が背中に回って俺の震える体を和らげるように摩っていく

その感覚に感触に安心したのか息苦しさが緩和された





『なんで来たの』

「お前が呼んでるような気がして」

『呼んでない』

「ん、じゃぁ俺が雷怖かったから」









一度、呼吸が止まった。

「怖かったから」

俺も本当は、本当はそう言いたかった

雷も、化け物も、誰にも分かってもらえないこの気持ちを、俺も本当は言いたかったんだ

いえなかった

なのにこいつはいつも俺の言いたかった言葉をサラッと言う

俺と似てるのに、俺に似ていない





『さとる』

「どうしたの？」






そっと、腕を回した




『怖かったっ』









堰き止め続けた思いが流れ出る

こうして素直にいえていたのなら、怖いっていえていたのなら

あの人は離れていかなかっただろうか





それでもあなたが好きだと言えたのなら、あなたは今も俺を好きでいてくれていたのだろうか





愛してるなんて意味のない言葉だと諦めなかったのなら、今もこうして









『俺を、置いていかないで。ひとりにしないで』

「置いていかねぇよ、てかもう、俺の方がお前を離せない」







・
雨がいつの間にか勢いをなくし、シトシトと流れ出る感情を洗い流すように優しい

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