【呪術廻戦】愛してるって言葉ほど、意味のない言葉はない【男主】 (ページ14)

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＿大丈夫、雷なんて怖くないよ＿

大丈夫、雷なんて怖くない。

この歳にもなって音に、光に怯えているだなんてみっともない

自分の身を自分でさすり布団の中に潜る

大丈夫、大丈夫と励ました

ザーザーと窓に雨が叩きつけられて、ゴロゴロと空が怒っている

もう少しであの人が来る。あの人が来てくれる。

大丈夫だよって抱きしめて、甘やかしてくれる。

そうしたらもう、雷なんて怖くない

震える体

シーツを握りしめて息を小さく吐く

昔から雷が怖かった。怖くて怖くて仕方がなかった

両親はいつも仕事で家にいなくて誰にも縋ることができなくて、『怖いよ』と助けを呼ぶことさえできないほど恐怖に駆られていた

空中から地面に何か叩き落としたかのように鈍い音が轟いて、その後に寮の中がパンッと何か弾けたような大きな音が充満し、瞬間、部屋の電気が消えた

『っ、停電？』

暗闇は苦手ではない。呪術師なんかしてれば特に闇に対して抵抗なんてない

だけど雷の日は別だ

電気がなければ息が詰まってしまいそうに苦しくなる

早く戻れ、早く戻れ

体が大きく震えだす

早く来て、早く来てよ…そして俺を抱きしめて。

大丈夫だって、いつもみたいに

「A！」

バンと開いたドア、部屋に入ってきたのはあの人じゃない。

『悟、』

「Aっ」

引っ張られた腕に体が浮く

最も簡単に、腕の中に吸い込まれて密着する