【呪術廻戦】愛してるって言葉ほど、意味のない言葉はない【男主】 (ページ9)

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「だからAを諦めたくない」

『は？』

何を言ってるんだ？と耳を疑った

今、散々言ったばかりだろ。と思考が鈍るのがわかる

ありえない。ここまではっきり言われてそれでも諦めないというのか

「手放すつもりない」

『バカなんじゃないの？』

「そうだと思う。嫌われてても、愛されてなくても、俺はAの側にいたい」

気持ち悪ほどの真っ直ぐな言葉

俺はそれを知らなかった。まさかそんな風に返されるだなんて

だって普通は、傷ついて、憎んで、悲しんで。もう一生嫌いだってなるのが普通で…当たり前で

『おかしいよお前』

「自分でもそう思うよ。でも俺はAがどうしようもなく好きで。大好きで。

多分この気持ちを諦める方が出来ないと思う

どんなに俺のことを嫌っても俺はお前のこと嫌いになれない」

スッと伸びてきた手が頬をさする

愛おしそうに、嬉しそうに

なんだか触れられているところが熱くて、火傷しそうなほど熱くて

許されてしまう

また、生ぬるい感覚に再び陥って浸り続けて麻痺してしまう

「今度はちゃんと、好きになってもらえるように俺頑張るから」

『何言って』

「俺、Aのこと落とすよ。今度はちゃんと」

『俺がお前のこと好きになると思ってんの？』

「うん。だって俺最強だから」

悟の匂いが鼻腔をくすぐる

近づいた距離に目を瞑ると頬に感じる柔らかい感触

子供の戯言かよ

手を添えられた反対側の頬

俺は悟から離れドアノブに手をかけて部屋の中に入って逃げた

バカみたいだ。

俺があいつに落ちるなんてそんな未来はないのに