占いツクール
検索窓
今日:1 hit、昨日:9 hit、合計:812 hit

109話 ページ10

岳斗side


「悪りぃが、そいつはダメだ」

「え……?」

何を言い出すのかと真冬は驚きの表情を出す。

そうなるのも無理はない、今までの俺を考えてみれば、俺の口から「ダメだ」なんて出るはずも無いだろう。

だが、真冬を止める理由がそこにはちゃんとあった。

「あいつらの実力は俺達よりも遥かに上だ。
どこを刺せば一発で死ぬかも、どうすれば相手の懐に入れるのかも熟知してる動きだった。俺達よりも相当長い間訓練してねぇと出来ねぇ。
つまり、あいつらは俺達よりも経験者って訳だ」

「でも、ほっといたらまた犠牲者が……!」

「相手は俺達よりもランクが上なブレイダー達を何人も葬ったバケモンだ。
しかも、見たところあいつらはラヴァルダート教団の幹部的存在……
あんな奴等があと3人も居るんだぞ? それを最下級ブレイダーのお前が相手に出来んのか?」

ドスの効いた声を出し、相手に噛み付く様に真冬を睨みつける。
真冬は今回ばかりは本気で怒ってると思ったのか、少し声を震わせながら「ごめんなさい……」と謝った。

真冬は昔から正義感が強い。
俺みたいに自分の意思を優先するような奴とは違って、困ってる人を見捨てる事ができない、一人でも多く助けてあげたい、そう言う思いが強いが為に、どんな面倒ごとでも首を突っ込もうとする。
そういう正義感が強い奴ほど心は脆い。ちょんと突くだけで、ジェンガの様にガラガラと心は崩れ落ちる。




だからこそ、俺は真冬だけにそんな事をさせるわけにはいかない。

「だから、俺も一緒にやってやるよ」

「えっ……?」

「俺だってあいつらの事、ずっと気になってたんだ。あいつらの秘密を暴いてやりたいって思ってた。まぁ、お前みたいに困ってる人の為にって訳じゃなく、100%自分の為だけどな」

「でも、私の勝手な理由でお兄ちゃんを巻き込む訳には……」

真冬に歩み寄り、「黙らっしゃい」と言いながら真冬の頭を軽くチョップする。

「俺がお前を巻き込むんだよ。俺はもうとっくに問題児扱いされてんだ。お前はそんな問題児に巻き込まれたただの被害者だ。そうすりゃ、おっさんも「止めても無駄なの知ってたから仕方ねぇな」って笑って許してくれんだろうよ」

「お兄ちゃん……」

「ほら、さっさと家に帰るぞ。永也とソラも腹空かせて待ってるだろうからな」

「……うん、そうだね。今日の夕飯、何にしよっかな〜」

俺達は他愛のない話をしながら、小学生の時の様に、手を繋いで家へと帰っていった。

110話 月見side→←108話 岳斗side



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (5 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1人がお気に入り
設定キーワード:オリジナル , 創作
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:赤猫 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2019年10月22日 9時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。