92話 ページ43
岳斗side
ブレイダー殺しの闇ブレイダー、ラヴァルダート教団と言う宗教団体、異界の扉を開く力を持った宝石、魔従を喰らって進化した魔隆・
俺達はあの時に何があったのかを全て説明した。
「そうか……任務中にそんな事が……」
ソファに座って話を聞いていたおっさんの表情は真剣そのものだった。
「影月大和、菊池菜乃花、篠宮涼子、久利生祐介……そしてソラとシンの2人と同じ種族と思われる奴が2体か……ちっ、奴等も本格的に動き始めやがったか……」
おっさんは参ったなと言わんばかりに頭を掻く。
「『奴等も』? てことは、おっさんはあいつらの事を知ってるのか? 」
「まぁな、前々から怪しいとは思ってたんだ。ブレイダーの大量の変死体……姿を見せない魔隆が引き起こす事件……その全ての事件の現場には、毎回ラヴァルダート教団の印が残されていた。お前らの初めての任務、連続変死体事件の調査で行ったあの現場にもな」
俺達は全員驚きの表情を露わにした。
初めて俺達がこなしたあの事件にもラヴァルダート教団が関わってるとは思いもしなかった。
「ですが、ラヴァルダート教団の印なんて俺達の現場にはありませんでした。本当にその宗教集団の仕業と言うなら、印が何処かに一つでもあるはずです」
「そう言うと思ったぜ……印が無いのだからラヴァルダート教団の仕業とは言い切れない。
だが、あの魔隆とラヴァルダート教団の関係性を決定づけられる証拠が、ここにある」
おっさんはポケットから小さな袋のような物を出し、机の上に置く。
その袋に入っていたのは、俺が魔隆を倒した後に拾っておっさんに渡した、あの小さな赤い真珠だった。
「! これ……俺が拾った真珠……!!」
「このちっこいのがどうかしたのだ? 」
「こいつを『魔隆解析研究兼科学発明ラボ』。通称『科学班』に調べてもらった」
「ま、まりゅ……? 」
長過ぎる名前に頭が追いつかず、頭の上にハテナが浮かび上がる。
「科学班の責任者が付けた名前だ。ネーミングセンスも無くてやたらと長い名前を付けたがる変態科学者だ。まっ、その内会うことにはなると思うぜ」
「へ、変態科学者……ロクな奴じゃない気がするわね……」
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