74話 ページ25
岳斗side
「大丈夫？ 岳斗」
「おう……ありがとな……」
まだ背中の斬られた痛みはあるが、月見の手を掴んでなんとか立ち上がった。
「この間まで大口を叩いたくせにしては情けないザマだな、園崎」
「そう冷てぇこと言うなよ。さて……」
大和の方に身体を向け、真っ直ぐな眼差しで大和を見つめる。
「これで形勢逆転だぜ、ブレイダー殺しさんよ」
俺の眼差しを見た大和は、苦虫を噛み潰したような表情をする。
「ムカつくなぁ……その目。正義の味方面しやがってよぉ……てめぇのその人間みてぇな顔見てると、イライラしてくるぜ……！！ 」
「何言ってんだ、俺は生まれた時から人間だ。それに、お前らもその人間のはずだろ」
俺がそう言うと、「プッ」と猫耳帽子の青年が笑うように吹き出した。
「プククッ……僕らが人間だって？ そんなわけ無いだろ？ 僕らは君達の言う化け物だよ。化け物じゃなきゃ、直ぐには傷も治らないだろう？ 」
「化け物だと……？ 」
「あぁ、そうだよ。長い付き合いになりそうだし特別に自己紹介をしてあげよう。まずはそこにいる目付き悪くて怖い顔した男の子が
「誰が怖い顔だ！！ ぶっ殺すぞ！！ 」
「で、ヘアバンドをしてクールぶってるのが、
「余計な事を付け足すな」
「そして、虫すら殺さないような穏やかオーラ放ってる着物の子が
「その説明って合ってるのかな……」
「そんで、赤いジャージ着た女の子に抑え付けられている男の子と、菜乃花の隣にベッタリくっついてるのがノラとスズ。大和と菜乃花の相棒で、そこにいる緑着物の子と赤ジャージの子と同じ種族なんだよ」
「えっ、ソラ達と同じ種族なのだ……！？ 」
「そうだよー！ 最後に、僕は
全員の説明を終えた涼子は横ピースをしてウィンクをする。
「えっ、女！？ 」
男と勘違いしてた為、俺は驚いてしまった。
でも、確かに言われてみれば……女に見えない事はない……？
「ずっと僕の事男だって思ってたの？ なーんだ、君なら僕が女だってこと気づいてると思ってた」
「はっ……？ 」
その言葉にまた疑問を抱く。さっきからこいつの発言には引っかかることが多い。
こいつは俺の何かを知ってるのか？
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