73話 ページ24
岳斗side
猫耳の青年が装着している銃口と、青年の左肩に氷が張っており、猫耳帽子の青年は驚いた表情をしていた。
「氷……? 」
「これ以上お兄ちゃん達は傷つけさせないよ、ブレイダー殺し! 」
声がする方を振り向くと、そこには氷模様の水色の二丁拳銃を構えた真冬と、レイヴンを出して構えている疾風、未鶴、セシルが居た。
「セシル……みんな……!! 」
「援護が来たか……だが、数が増えたとこでどうしようも____」
すると、聖の首に刃を当てているヘアバンドの青年に向かってダガーの様なものが放たれ、それに気づいた青年は双剣でダガーを弾く。
「貴方は聖を傷つけた……無事で済むと思わないで」
数本のダガーを指に挟んでいるセシルは、珍しくメガネを外して髪を一本結びにしており、目には光が宿っておらず、人が変わったようにヘアバンドの青年を睨みつけていた。
「……なるほどな、少しは腕が立つ者はいるようだ」
「ちぇっ、今いいとこだったってのに」
「厄介だぜ、どうするだぜ……! 」
ソラを抑える力が緩まると、その隙を見てソラは勢いよく起き上がり、倒れた少年に馬乗りの状態で抑える。
「へへっ、さっきのお返しなのだ!! 」
「っ……油断しただぜ……! 」
少年は悔しそうにソラを睨む。
「ノラ!! このクソブレイダーどもがぁ……!! 」
大和は攻撃してきた真冬達を睨みつけるが、その隙を見せた一瞬で青い稲妻が大和を吹き飛ばす。
「くっ……! 」
間一髪のとこで長剣で攻撃を防いだが、大和の腹には切り傷が出来ていた。
「オーバーレイヴンをお前だけが使えると思ってたか? 闇ブレイダー」
疾風の方へと体を向けると、疾風の瞳は青い光を迸っており、髪は逆立ち、疾風の持つ蒼迅丸には青い稲妻が纏わりついていた。
「疾風……」
「こんな奴に手こずるなど……お前はやはり、ブレイダーに相応しくない」
今の疾風のリクトルは青く濃くなっており、通常よりも大きくなってるのが見えた。
「人間如きが調子にのんじゃねぇぞ、このクソどもが!! 」
大和の受けた傷はみるみるうちに塞がっていき、何事も無かったかのように治っていた。
「! 傷が治っただと……? 」
「大和っ!! 」
着物の少女が大和に向かって駆け寄ろうとすると、大きな灰色の弓を持った未鶴は灰色の矢を構え、少女の真下に矢を放つ。
「あんた達の目的が何なのか知らないけど、生憎、あんた達みたいな野蛮な奴に負けるほど弱くないから」
「っ……! 」
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