検索窓
今日:1 hit、昨日:6 hit、合計:3,862 hit

52話 ページ3

岳斗side


「行くぞ」

立ち入り禁止のテープを潜り抜け、俺も疾風に続いてテープを潜り抜ける。

「特に変わった様子はねぇ見てぇだけど……てか、これ俺達来る意味あったか? ここを調べるっつってもよ、警察に証拠とか遺体とか持ってかれちまってんだから、調べる事なんて無理なんじゃねぇのか? 」

「魔隆関連の事件となると、わかり辛いところで警察が見落とすケースが多い。例えば……」

近くにあったゴミ箱に近付くと、そのゴミ箱を持ってゴミ箱の周りを調べる。

「ん? お前何やってんだ? ゴミ漁りか? 」

「……それすらも知らないのか……警察が見落とすとこは、大抵こういう痕跡のようなものだ」

疾風は俺の方にゴミ箱の後ろ側に付いてる引っ掻き跡の様なものを見せる。その引っ掻き跡には魔隆が纏ってるのと同じリクトルが付けられていた。

「黒いリクトル……魔隆が付けたって事か? 」

「あぁ……人間のリクトルは普通は目には見えないものだが、魔隆のリクトルは人間のリクトルより濃いからリクトルを解放していない奴でもそれが見える。魔隆が纏ってるあの黒い粒子がそうだ。そして……魔隆の残した現場の痕は、リクトルが微かな物だから普通の奴では見えなくなっている。その為、その痕を見逃してしまうことが多い。だが、リクトルを解放しているブレイダーなら魔隆の痕跡にあるリクトルを見ることが出来る。日は経っていても、魔隆のリクトルは濃いからな」

なるほど……魔隆から出てたあの黒い粒子もリクトルだったのか……

「勉強になったぜ。教えてくれてサンキューな、疾風」

「一応任務だからな。お前みたいな何もわかってない奴を、少しでも足手纏いにしないよう教えてるだけだ」

「ったく、素直じゃねぇ奴だな」

魔隆の痕跡にはリクトルが纏っている……てことは、俺のリクトルを見る力なら、もっとよく見えるんじゃねぇのか?

「……確かめてみるか」

グッと目を凝らし、現場全体を見つめる。すると、魔隆の残した痕跡の黒い残粒子が所々にハッキリとあるのが見えてくる。

「やっぱり…ハッキリと見えるな。で、地面には魔隆の足跡みてぇのが……ん? 」

床にかがんで魔隆が残したと思われる足跡を見ていると、その足跡は何処かへと向かってるのに気づき、足跡を目で辿っていく。
足跡は中華料理店の壁をよじ登り、足跡は窓のとこで途切れてしまっていた。

窓のとこで途切れてる事に違和感を感じ、そしてその違和感は、段々確信へと変わっていった。

53話→←51話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (3 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1人がお気に入り
設定タグ:オリジナル , 創作
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:赤猫 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2019年7月19日 13時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。