プラチナの王子様3

45-3 ページ42

図書館の方から歩いてきたのは、頰を紅潮させたハーマイオニーだった。



「真緒、私…誘われたのーーたった今よ、ダンスパーティに一緒に行かないかって…」

「えっ、誰に？」

「彼、そのーー…ビクトール・クラムよ」



ハーマイオニーは囁くように言って、更に頰を赤くさせた。

「彼が図書館に通ってたのは、私に話し掛けたかったからって…」と続けたハーマイオニーは、正しく乙女だ。



「それって、もしかして一目惚れ？ハーマイオニー返事したの？」

「したわーー…イエスって」


真緒は思わず黄色い声を上げた。


「ハリー達には内緒にしてて」

「分かった。私てっきりハリーかロンと行くとばっかり思ってたわ」

「あの二人は私を女の子としてカウントしてないものーーそんなことより、真緒、貴女を探してたの」


ハリー達の話を出して冷静に戻ったハーマイオニーが、真緒の手を取って図書館の方へと引っ張った。

丁度図書館からは、クラムと他に2人の男子生徒が出てきたところだ。

ハーマイオニーが大きく手を振ると、クラムはぱっと笑顔を向けて、男子生徒の一人の肩を叩いた。



「ハーマイオニー？」



訳の分からない真緒が戸惑っていると、ダームストラングの男子生徒が真緒の元へと歩み寄ってきた。



「ちょっと、良いですか？」

「え？」


男子生徒は真緒の手をそっと掴んで、人気のない廊下へと歩き出した。

後ろで手を振るハーマイオニーに真緒はハテナを浮かべながら、後を歩く。



「あの、貴方はーー？」

「僕ヴぁ、ユリウス・ベルマン。君は、ハーミアニーの友達？」

「はい、真緒・土御門です」



ハーマイオニーのことかな、と思いながら、真緒は自己紹介をした。



「僕ヴぁ、中庭で、先生に立ち向かってる君ヴぉ見て、素敵だと思いました」

「へ？」

「僕ヴぁ、君とパーティで踊りたい」



突然の申し出に、真緒は赤くなって「えっ？私？」と聞き返した。

ユリウスは頷いて、「君ヴぁ、とってもキレイ」と続けた。



「へぇ！随分な変わり者が居たもんだ！」



真緒がユリウスに言葉を返すよりも早く、気取った声が割り込んだ。

真緒達がその声の方向を向くと、すたすたと早足でやって来たドラコが真緒の手を取るユリウスの腕を弾いた。

ユリウスは明らかに不快そうな表情を浮かべたが、彼が口を開くより早く、ドラコが口火を切った。



「やめとおいたほうが良いと思うけどねぇ」

45-4→←45-2

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す