44-1:ドレスローブ ページ38
第一の課題はドラゴンだった。
セドリックを応援しようのバッジを付けながらも、クラムの旗を掲げるドラコに呆れつつ、真緒はジニー達と並んでハリーを待った。
ドラゴンを見たことがなかった生徒も、すぐにこの試合の危険さを理解した。
会場は一体となり悲鳴をあげ、叫び、そして歓声を上げた。
「いよいよハリーの番よ」
ハーマイオニーは今にも泣き出しそうだ。
ロンも喧嘩をしていたことを忘れ、心配そうな顔で選手入場口を見ている。
競技開始から数分間、ハリーは防戦一方だった。
岩を使ってドラゴンの炎を交わすのが精一杯で、卵に近づくことすらできない。
「ハリー！杖を使うのよ！早く！」
ハーマイオニーが叫び、ハリーが杖を振った。
何も起こらないように見えたが、少しして、ファイアボルトが勢いよく主人の元へと飛んできた。
激しい戦いの末、ハリーは大歓声の中、悠々と岩場に降り立ち、金の卵を手にとって高く掲げた。
そしてその夜、ハリーとロンは、仲直りをしたのだった。
＊
第一の課題以降ぐっと寒さが増し、程なくして校庭に真っ白い霜が降りた。
暖炉が燃え盛る談話室を1歩出たとたんに猛烈な寒さに襲われ、身を縮めて大広間まで急いだ真緒は、席につくなりホットミルクに手を伸ばした。
「ふぅ…」
(美味しいけどーー、バタービールには敵わないなぁ…)
「見てこれ！」
定期購読している日刊預言者新聞を手にしたハーマイオニーが、一面を広げるなり大きな声を出した。
ハリーと一緒に映っている写真を見せ、記事を読み上げる。
「ミスグレンジャーは平凡な女の子。でも恋人は大物狙い……現在の狙いは、ビクトール・クラム！？」
怒りに任せて新聞を畳み出したハーマイオニーに「リータ・スキーターでしょ？気にしちゃだめよ」と真緒は宥めるように言った。
ワールドカップの件の記事といい、スキーターの書く文章は人に読んでもらうためにかなり脚色されている。
ハーマイオニーが怒る中、とことこ歩いてきたナイジェルがハリーとロンの間に止まり、抱えていた平べったい箱を突き出した。
「小包が届いています」
「ママからだ」
首を傾げて受け取ったロンが、その場で包みを開く。
箱から出てきたのは、色褪せたレースがふんだんにほどこされている、古びたカーテンのような服だった。
「これジニーのだろ？」
「そんなの着ないわ。古臭い」
「違うわロン、それあなたのよ！」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 272人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハリーポッター」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
M.S(プロフ) - 星ぶどう様＊また気になる箇所等あれば教えてください(^^)/ (2020年2月27日 23時) (
レス) id: ff3e6ddaf7 (このIDを非表示/違反報告)
星ぶどう(プロフ) - M.Sさん» すみません、そうですね。本当にややこしい…(笑) (2020年2月27日 16時) (レス) id: 6721536779 (このIDを非表示/違反報告)
M.S(プロフ) - 連投すみません！やはりハリーは11歳の誕生日に入学許可証を貰っていることから、14歳のようです。星ぶどう様の言われるように、9月〜1年のため、早く生まれる子は1年生になってすぐに12歳になるようです！ややこしい…笑)引き続きたのしんでいただければと思います＊ (2020年2月26日 20時) (レス) id: ff3e6ddaf7 (このIDを非表示/違反報告)
M.S(プロフ) - 星ぶどう様(*^^*)コメントありがとうございます！6年生のセドリックが17歳の年齢線をクリアしていることから、4年生の場合、14歳と15歳の生徒がいると判断しました！一度ちゃんと確認してみますね！ (2020年2月26日 20時) (レス) id: ff3e6ddaf7 (このIDを非表示/違反報告)
星ぶどう(プロフ) - 面白いです！面白いんですけど、31ページ、ハリーは７月が誕生日なので、まだ13才だと思います！英国は９月から６月までが一年間なので…。ちなみにドラコは誕生日が６月５日なので、遅い方ですね。長文すみません。更新頑張って下さい！ (2020年2月26日 18時) (レス) id: 6721536779 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：M.S | 作成日時：2020年2月9日 21時
