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だったら、あれだけの騒ぎに気づかないわけがない。
「ねぇ、聞いてる?大丈夫?」
「……笑って見てたくせに」
恐怖が一変して、惨めな気持ちでいっぱいになった。
変身を見られただけでも屈辱的なのに、同情されるなんて、男としてのプライドがズタズタだ。
(折角、ホグズミードで良い雰囲気になったのにーーー)
「ドラコ、髪に葉っぱーーー」
「触るな!」
ドラコは真緒の手を払いのけ、城の中の地下へ続く大理石の階段を目指した。
*
ゲラゲラと笑う生徒達の中、真緒は状況が把握しきれずにいた。
ハリーが一人だろうと中庭を探しに来ると、茂みのほうが騒がしく、何事かと思って見に来たら髪の乱れたドラコとぶつかった。
頰は燃えるように紅潮し、薄青い瞳を潤ませて、怒りとも怯えとも取れる表情のドラコは、触るなと怒鳴った後、逃げるように立ち去ってしまった。
(先生に怒られた…?)
目の前で、マクゴナガルに怒られているのはムーディだ。
しかも2人とも杖を持っている。
そんな物騒な状況なのに、集まった見物人は皆笑っている。
「何があったの?」
木の下にいたクラッブ達に聞くと、信じられない答えが返ってきた。
「ドラコが先生に?それを見てみんな笑ってたの?止めもしないで?」
「助けようとした。でもムーディが触るなって」
「僕のズボンの中に猫を入れたんだ」
「猫じゃなくてイタチだろ?」
ザビニが訂正したが、真緒にしてみたら何の動物かなんて問題じゃなかった。
教師が生徒を動物に変身させたあげく、見世物にして笑うなんて、とても信じられない。
「どうしてそんなことになったのよ」
「さあ」
「わからない」
「気づいたら変身してた」
「教育だ!!ーーーお前達、あの小僧はどこに行った?」
マクゴナガルとの話を終えたらしいムーディが杖をつきながらやってきた。
ゴイルが「たぶん地下だ」と言うと、ザビニが「スネイプ先生に言いつけに行ったんだと思います!」と茶化し、真緒はそのやりとりを険しい顔で見つめていた。
「ほうーー罰則は寮監に話して決めなきゃならんらしいからな…スネイプに口を利くチャンスもずっと待っていた」
「罰則?これからさらに?」
その声のトーンが明らかに下がったのに気付いたザビニが「やめとけよ」と言ったが真緒は聞かず、ムーディを追いかけた。
次は何が始まるんだと好奇の視線の中、2人は言い合いをしながら城内へ消えていった。
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M.S(プロフ) - 星ぶどう様*また気になる箇所等あれば教えてください(^^)/ (2020年2月27日 23時) (レス) id: ff3e6ddaf7 (このIDを非表示/違反報告)
星ぶどう(プロフ) - M.Sさん» すみません、そうですね。本当にややこしい…(笑) (2020年2月27日 16時) (レス) id: 6721536779 (このIDを非表示/違反報告)
M.S(プロフ) - 連投すみません!やはりハリーは11歳の誕生日に入学許可証を貰っていることから、14歳のようです。星ぶどう様の言われるように、9月〜1年のため、早く生まれる子は1年生になってすぐに12歳になるようです!ややこしい…笑)引き続きたのしんでいただければと思います* (2020年2月26日 20時) (レス) id: ff3e6ddaf7 (このIDを非表示/違反報告)
M.S(プロフ) - 星ぶどう様(*^^*)コメントありがとうございます!6年生のセドリックが17歳の年齢線をクリアしていることから、4年生の場合、14歳と15歳の生徒がいると判断しました!一度ちゃんと確認してみますね! (2020年2月26日 20時) (レス) id: ff3e6ddaf7 (このIDを非表示/違反報告)
星ぶどう(プロフ) - 面白いです!面白いんですけど、31ページ、ハリーは7月が誕生日なので、まだ13才だと思います!英国は9月から6月までが一年間なので…。ちなみにドラコは誕生日が6月5日なので、遅い方ですね。長文すみません。更新頑張って下さい! (2020年2月26日 18時) (レス) id: 6721536779 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:M.S | 作成日時:2020年2月9日 21時