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「セドリック!あのーーありがとう、本当に。貴方のおかげで大怪我にならずに済んだ」
「大したことはしてないよ、じゃあね」
「ありがとう」
にっこり微笑んでから立ち去ったセドリックを真緒はぼんやりと見送った。
(あれこそ…王子様ってやつだ…)
身を呈して危険に飛び込み、抱き締めて下敷きになってくれた。
セドリックの香りと厚い胸板を思い出して、真緒は少し頰が熱くなった。
「もしかしてセドリックにときめいた?」
ハーマイオニーの悪戯な笑顔に真緒は首をぶんぶんと横に振って否定した。
そして「いただきます!」と言ってサンドイッチにかぶりつく。
*
スリザリン生の大量減点のニュースは当然、ドラコの耳にも飛び込んできた。
「一体どんな真似をしたら110点も引かれるんだ」
ソファに座りながら、真緒からのクィディッチ雑誌を流し見しつつ、悪態をついた。
その隣に、ザビニがにやにやとしながら座り込んだ。
「知らないのか?ーーーま、マルフォイは知らない方が良いんじゃないか」
「は?」
「心穏やかじゃいられないだろうからな」
ザビニの意味深な口振りに、ドラコは顔をしかめた。
「どういう意味だ」
「そのままさ」
「…説明しろ」
低くなったドラコの声にザビニは苦笑しつつ口を開く。
説明すればもっと不機嫌になるであろうことは、目に見えていた。
「ヤマトナデシコを階段から突き飛ばしたからだ」
ドラコの眉がつり上がった。
「どういうことだ、真緒を突き飛ばしただと?誰の仕業だ」
「誰かは絞れなかったから、全員から10点ずつ減点したんだってよ。罰則もあるらしい」
「当然だーーー…真緒は無事なんだろうね?」
「さあな、ハッフルパフのディゴリーが落ちてくる彼女を抱きとめたって噂だから、無事なんじゃないのか?」
猜きとめた瓩箸いΩ斥佞縫疋薀海里海瓩みがぴくりとしたことは見なかったことにして、ザビニは「じゃあな」と一方的に会話を切り上げて立ち去った。
残されたドラコは苛々とした様子で雑誌を閉じて、男子寮へ引き上げた後、先日渡し損ねたホグズミードのお土産を手に取って寮を後にした。
誰に対しての怒りなのか、ドラコ自身も分からないままに、階段や廊下を走り抜け医務室の扉を乱暴にノックした。
「何事ですか」
「真緒は何処ですか?無事なんですよね?」
食い気味に質問したドラコに、マダムポンフリーは「来なさい」と言って歩き出した。
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エマ - ドラコが好きすぎます、、、これからも応援してます! (2022年3月23日 17時) (レス) id: 993b960046 (このIDを非表示/違反報告)
M.S(プロフ) - りの様)コメントありがとうございます!意地悪なところや不器用なところがありつつもカッコいいドラコを目指したいので嬉しいお言葉です。応援ありがとうございます、励みになります! (2020年2月3日 0時) (レス) id: ff3e6ddaf7 (このIDを非表示/違反報告)
りの(プロフ) - はじめまして!めちゃくちゃマルフォイカッコいいです!応援してます (2020年2月2日 23時) (レス) id: 993ddb6aa8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:M.S | 作成日時:2020年1月16日 23時