23-1:喧嘩 ページ29
「彼奴の腕はどこも悪くないのに!!」
いつものようにクィディッチの練習を見て、選手達にタオルを渡そうとジニーとコリンと待っていると、ハリーの怒った声が聞こえてきた。
対戦相手がハッフルパフに変わったらしい。
真緒達も静かに話を聞いていたが、新キャプテンになったセドリック・ディゴリーについてウッドが触れるとアンジェリーナ達がくすくすと笑った。
どうやら、彼のかっこよさは寮の壁を越えて認められているようだった。
予約終了時間ぎりぎりまで飛ぶようだったので、真緒とジニーは一足先に城へと戻った。
「もう11月よ。こんなに長引く怪我ってある?」
「…ずっと不便な演技出来るのも凄いけどね」
ジニーの苛立った声に、宥めるように返事をした。
「気に入らない相手を陥れる為なら何だってするような奴よ」
その言葉に、それは言い過ぎだと言おうとした。
だが、視界に飛び込んできたプラチナブロンドが、ずぶ濡れで帰ってきたグリフィンドール選手を指差して笑っているのを見て、押し黙るしかなかった。
嫌な笑みを浮かべるドラコを見て、真緒は気持ちが沈んでいかざるをえなかった。
「やあ真緒」
声をかけてきたドラコは、真緒の気持ちなど露ほども知らずににこやかだ。
隣にいたジニーがすたすたと通り過ぎて選手達の方に向かうので、真緒も「急ぐから」と言って通り過ぎようとした。
「選手にならなくて良かったな、ポッター達みたいにドブネズミになるところだった」
真緒はその言葉に、ぴたりと足を止めた。
「どうしてそんなこと言うの?」
「どうしてだって?」
「自分や友達を馬鹿にされたら、どんな気持ちになるか考えないの?」
真緒の言葉にドラコは目をぱちくりさせた。
「僕なら笑われるようなことはしないけどね」
選手達を鼻で笑った後、そう言い放ったドラコに、真緒はぎゅっと拳を握りしめた。
「だから試合を辞退したの?仮病を使って逃げるなんてそっちの方が笑えるわ」
「何だと?」
ドラコの目が鋭くなったが、真緒は止めなかった。
「負けるのが格好悪いと思ってるのね」
「出たら負けると言いたいんだな?〜〜〜どいつもこいつも僕がポッターに勝てっこないと、思ってるんだ!」
「そういう意味じゃない!ただ私はーー」
「そういう意味だろ!!」
「だからそこまで言ってない!」
「言った!」
暫しの間二人は言い合いになった。
だが、どちらともつかず背を向けた。
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エマ - ドラコが好きすぎます、、、これからも応援してます! (2022年3月23日 17時) (レス) id: 993b960046 (このIDを非表示/違反報告)
M.S(プロフ) - りの様)コメントありがとうございます!意地悪なところや不器用なところがありつつもカッコいいドラコを目指したいので嬉しいお言葉です。応援ありがとうございます、励みになります! (2020年2月3日 0時) (レス) id: ff3e6ddaf7 (このIDを非表示/違反報告)
りの(プロフ) - はじめまして!めちゃくちゃマルフォイカッコいいです!応援してます (2020年2月2日 23時) (レス) id: 993ddb6aa8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:M.S | 作成日時:2020年1月16日 23時