19-1:晴れない靄 ページ19
翌朝、真緒はジニーと大広間に降りて、席に着くと、ふとスリザリンのテーブルをちらりと見やった。
ドラコがスリザリン生達の中で何やら面白い話でもしているらしく、わいわいと賑やかだ。
隣を陣取っているのは、コンパートメントで腕を絡めていた女子生徒だ。
ぱちり、とダフネと目が合うと、彼女は肩を竦めて大広間の扉を目線で指した。
丁度、ハリーが入ってきたところだった。
そしてドラコが気絶する真似を大袈裟にして、一際笑い声が上がった。
「あーらポッター！吸魂鬼が来るわよぉ！」
昨日の女子生徒がハリーに馬鹿にしたように声をかけた。
思わず立ち上がりかけると、隣のジニーが真緒の腕を掴んだ。
「駄目、真緒」
ハリーもロンに止められていた。
真緒の空いてる隣に座った双子に促され、ハリー達がドラコに背を向ける形で座った。
起こるハリーを双子達が宥めつつ、昨日のドラコの情けない様子の同意を求められた。
真緒が濁すと、話題は昨年のクィディッチ初戦の話になってハリーの機嫌が少し持ち治った。
「今年は、募集はしないの？」
「ああ、今年はなしだ」
「何しろ全員残っている最高のチームだ」
「去年はハプニングがあって優勝を逃したが」
「今年こそは優勝してみせると」
「寝る間も惜しんで作戦を練ってる」
双子達の話を聞いてハリーも元気が出たらしい。
その後、先生になったハグリッドや新任のルーピン先生の授業の予想の話、ハーマイオニーの謎の時間割の話に花を咲かせ、授業に遅刻しそうになりながら解散をした。
その様子を、頬杖をついたドラコが見ているとは思いもしなかった。
＊
(僕の話じゃないだろうな…？)
双子達に笑顔を向けて話している真緒を見ながら、ドラコは眉間に皺を寄せた。
ジニーやコリンと仲が良いだけでなく、気付けばその兄や周囲の人間とも打ち解けていた。
よりによって、逃げ込んだ先があの双子のコンパートメントだったなんてーーー
最悪としか言いようがなかった。
まさか同じところに逃げ込んでいたとは、思わなかった。
車内に明かりがついた時も同じ空間にいて、ドラコが足をもつれさせながら逃げて行ったのも見た可能性が高い。
「…っくそ…」
(言い逃れ出来ない…)
吸魂鬼が汽車に侵入して、逃げたドラコがぶつかったのは恐らく真緒だ。
何故なら、ぶつかった瞬間にドラコの鼻腔を擽った石鹸の香りは、真緒のそれだった。
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エマ - ドラコが好きすぎます、、、これからも応援してます！ (2022年3月23日 17時) (
レス) id: 993b960046 (このIDを非表示/違反報告)
M.S(プロフ) - りの様)コメントありがとうございます！意地悪なところや不器用なところがありつつもカッコいいドラコを目指したいので嬉しいお言葉です。応援ありがとうございます、励みになります！ (2020年2月3日 0時) (レス) id: ff3e6ddaf7 (このIDを非表示/違反報告)
りの(プロフ) - はじめまして！めちゃくちゃマルフォイカッコいいです！応援してます (2020年2月2日 23時) (レス) id: 993ddb6aa8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：M.S | 作成日時：2020年1月16日 23時
