プラチナの王子様 (ページ8)

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新入生の組分けを終えて、苛立っていたドラコは、その日はどんどんと機嫌が急降下していくこととなった。

(あんなにべたべたと…真緒もへらへら笑って、プライドってものはないのかーーー)

組分けで名前を呼ばれ、彼女が前に踏み出した瞬間から、なぜだか生徒達がざわざわと噂をし始めた。

そして、憎きグリフィンドールの席に着いた彼女はグレンジャー達と談笑していた。
しかしそれも束の間、すぐに男子生徒とも握手をして話しだしていた。

自分が一番に、イギリスに来た彼女を見つけたのにーードラコは不機嫌だった。

そこに輪をかけて〝またしても〟ハリーポッターの話題だ。

「ポッターとウィーズリーが空飛ぶ車で登校したっていう話、本当かな？」
「さあね」

「退学になると良いな」
「あぁ」

「あの子、可愛いよな」
「あぁーーーーって…は？」

「真緒・土御門、だっけ？ニホンジンだろ？さっきから皆言ってるぜ」

ドラコは鼻を鳴らした。
(真緒のこと、何も分かってないな…)

「彼女はハーフだ、母親はグリーングラス家出身のな」

「何だ、紛い物かよーーていうかドラコ、知り合いか？」

ザビニの紛い物という言葉にドラコは顔をしかめたが、すぐさま彼女について知っていることを得意げに話し出した。

「ーーーそれにしても見過ぎだ、マルフォイ。舌打ちまでして…気があるのがバレバレだ」

一通り話したドラコに、ザビニはニヤニヤとしながら言った。

「なっ！舌打ちなんかーー…してたか？」

「「分からない」」

食事に夢中のクラッブとゴイルは気づくはずもなかった。

「それに気があるわけないだろ、あんなチビに」

「そうなのか？可愛いのに」

確かに、あの黒髪や、透明感があって間近で見てもきめの細かい肌は綺麗だーーー丸くて、黒曜石のような目も、珍しい。

「…チッ…」

華奢で、繊細につくられた人形のような少女は、他の大勢の生徒達から見ても魅力的らしいがーーー

(あのちびっこは、僕が見つけたんだ…)

微かな苛立ちを胸に抱えながら、真緒を睨むように見続けていると、不意に澄んだ瞳がドラコを捉えた。

次の瞬間。

ふにゃりとした笑顔。
ひらりと小さく振られた手。

「っ…！」

言いようのない動揺で、ドラコはさっと目を逸らした。

(あのイカれた組分け帽子も、誰彼構わず愛想を振りまく真緒も、目立ちたがりポッターも、何もかもーーー…)

気にくわないーーーー

fin.1

本年も宜しくお願いします。