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痺れを切らした真緒は、遂に休暇の最終日、夕食のデザート越しにロンの目の前へ移動して尋ねた。
「いや、君爐廊甓燭發靴討覆ぁ
何か言いたげに口の端がぴくぴくしている。
馬鹿にされてるようで面白くなかった真緒はロンの両頬を摘んで、「はっきり言ったらどう?」と黒曜石の瞳で睨む。
「ひや、はひつがひみにひがあーーー」
「あ、真緒。ジニーが席立ったよ?」
涙目のロンの頰を離して、「私も行くね」とハリーに言った真緒は、歩き出した。
ジニーを追いかけて行ったが、どうも見当たらない。
「やあ真緒。そんなところでちょろちょろ動き回らない方が良いんじゃないか?」
「何か用?」
「君が一人で彷徨ってるから、来てやったんだ」
「必要無いわ、自分で動き回れるもの」
「階段にハマって泣きべそかいてたのに、よくそんなに自信があるもんだねぇ」
真緒の言葉にいちいち嫌味っぽく返してくるドラコを睨みつける。
相手にはしないでおこうと無視して歩き出すと、ぐいっと髪を引っ張られてよろめいた。
「髪を引っ張らないで!」
「君が無視するからだーーー…父上から聞いたぞ?父親はマグル贔屓の血を裏切るもので君はスクイブだ、立場をわきまえたほうが良いと思うけどねぇ」
早口でドラコが言う。
真緒は話した覚えのない自分の話をされ、目を見開いた。
「…どうして?」
思ったよりも冷たい声が出た。
「継承者の、敵だ」
ドラコは神妙な顔で言った。
だがすぐにいつもの自信に溢れた顔になった。
「…でも安心しろ、君がこっち側だと示す為に僕が指導してやる」
「こっち側?」
勝手に身辺調査された上に、指導するなどと言い出されたことで真緒の表情は固まっている。
「父上は、真緒が純血なら純血主義であれば問題ないと言ってた。だからまずは血を裏切る者のウィーズリーのチビやポッター達とつるむのをやめて、穢れた血のグレンーーー」
「お断りよ」
「…何だと?」
「純血主義にはならないし、友人も今まで通り付き合うーーーそれで、継承者に狙われたとしても構わない」
真緒がきっぱりと言い切ると、ドラコは信じられないという表情を浮かべて「何を言ってるのか、わかってるのか」と言った。
「こっちの台詞。その提案に私が喜ぶとでも?見当違いも良いところよ」
顔を歪めた真緒の言葉に、ドラコは勢いよく言い返そうとした。
が、一息ついて口を開く。
「…何が気に入らないっていうんだ」
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作者名:M.S | 作成日時:2019年10月13日 11時