プラチナの王子様 (ページ43)

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10-1:ドラコの秘密ページ43

ミリセントの姿が相当嫌なのか置いていけと言うハーマイオニーに従って、ハリーとロンはスリザリンの談話室向かって急いだ。

「あ、貴方達！」

忙しないハリー達を呼び止めたのは、真緒だった。

普段の二人が一体どんな風に真緒に接しているのか全くわからなかったハリーはロンを見た。

ロンもハリーを見ていた。

どうしたものかと突っ立っている二人に真緒は言葉を続けた。

「ドラコ見なかった？」

「えっと…見てない」

たじたじとハリーが答えると、真緒はロンを見た。

「クラッブは？見せたいものがあるって言ってたんだけど…待っとけってことなのかしら」

「うーん…」

ロンが返事に困っていると、「こんなところで何をしている」という聞き慣れた声がした。

パーシーだ。

1年生を苛めたら許さないぞと言わんばかりにハリー達をじろじろと見ている。
クラッブとゴイルがスリザリン以外の下級生と話しているのを見たらハリーでもきっとそう思っただろう。

「真緒」

またしても新しい声がしてハリーはうんざりしながら振り返ると、探していたドラコだ。

「待ってろって言っただろうーーーおい、お前たちが連れ出したのか？」

「いや…」
「違う」

「じゃあ何で一緒なんだーーーところでウィーズリーこんなところで何の用だ？」

怪訝な顔でハリーたちを見た後、小馬鹿にしたようにパーシーに尋ねた。
ずっと無視された上に、そんな態度を取られたパーシーは不快感を隠さずに「態度に気をつけるんだ」とドラコに言った。

ドラコはそれを鼻であしらい、付いて来いと言わんばかりに寮へと背を向けた。

「真緒。君はこっちだ、一人で出歩くなんて何を考えてるんだ」

「え、あ、うん。ごめんなさい」

＊

真緒に何かを見せ損なったドラコは不機嫌だった。
ひとしきりパーシーの悪口を言った後、更にアーサーが車の件で罰せされたことを新聞記事を見せながら嘲笑った。

ロンが怒りのあまり拳を握りしめている。

「どうした？」
「あー…腹が、痛い…」
「なら医務室へ行け。どうせ食べ過ぎだろ」

ドラコは呆れたように言って、更に言葉を続けた。

「それよりお前達、どうして真緒と一緒にいた？」
「向こうが、話しかけてきた」
「うん、マルフォイを探してた」

何となく不穏な空気を感じ取り、二人は矢継ぎ早に答えた。
「それなら、今回は見逃してやる」と言ったドラコに、ハテナを浮かべたハリーとロン。

「忘れたのか？」