プラチナの王子様 (ページ16)

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4-1:スリザリンの新シーカーページ16

コリン・クリービーは熱狂的なハリーポッターファンだ。

これは彼が入学した翌日には、少なくとも寮生全員が認知するところになったし、いつでもどこでもカメラを片手にサインやら写真をねだる光景を見せ付けられれば、恐らく誰だって気づく。

「ねえ！真緒、ハリー知らない？」

ドラコに送ってもらって帰った真緒に、コリンはそわそわしながら聞いてきた。

「さあ？」

「ようやく現像出来たのに、中々見つからなくて」
「ジニーも知らないの？」
「うん」

コリンと同じくらい、ジニーもハリーのファンだった。
ただし、コリンがどんな状況でも果敢に話しかけに行くのに対して、ジニーは本人目の前にしても話しかける勇気を持ち合わせていないという点で、二人は真逆だったが。

「誰よりも知ってるのは貴方だと思うけど…」

(2年生の時間割を暗記してるくらいだし…)

コリンと共に夕食へ向かい、大広間でジニーと合流して、例の階段の件を話すと、ジニーは呆れて肩を竦めた。

「あのマルフォイが王子様っていうの？」
「そんなことっ…でも、態度は兎も角、顔は格好良いでしょ？」

お伺いをたてるようにジニーを見つめると、彼女はやれやれというように首を振った。

「ーーま、真緒は日本から来てるから、いかにも西洋っぽいのに憧れるのかもね」

そう締めくくられ、2人で仲良く女子寮へと帰る。

ベッドに横になって髪を梳かしていると、ジニーがいそいそと机に向かっているのが見えた。

「何、ジニー宿題？」

真緒がちらりと覗き込もうとすると、ジニーは慌てて隠すように何かを閉じた。

「に、日記よ！」

真っ赤になるジニーに「あ、そうなの」とすぐさま身を引いた。

(あんなに慌てなくても…)

日記には、まだ何も書かれていなかったのにーーー

真緒は首を傾げながら、布団へと潜り込んだ。

＊

翌日の土曜日の朝は、ジニーがせわしなく大広間を見渡すところから始まった。

「ハリーがいないわ」

確かに、ロンとハーマイオニーはいるのに、ハリーはいない。
ジニーは二人の席の隣に座った。

「おはよう、ねえハリーは一緒じゃないの？」

「今朝早くウッドに叩き起こされていったよ。おかげで僕も寝不足さ」
「クィディッチの練習ですって。だから私たち、見に行こうって話してたところなの」

ハーマイオニーはマーマレードを塗ったトーストを詰め込んでいた。
ロンと出て行くのを見送って、真緒はジニーににっこりと向き合った。