プラチナの王子様 (ページ33)

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再開されると、ピーターの双子はハリーを執拗に狙うブラッジャーに付くのをやめたようだ。

ブラッジャーを避ける為に様々な動きをして必死に躱すハリーだったが、突然ドラコの方へと真っ直ぐに急降下したーードラコが避けるように疾走する。

そして、二人ともスニッチを追いかけ始めた。

凄まじい速さで動く二本の箒。
そしてその後ろを追跡するブラッジャー。

観客席の下の柱をジグザグに通る二人は見え隠れしている。

だが、悲鳴が聞こえ、ドラコの身体と箒が柱から飛び出してきた。

「ドラコっ！」

思わず真緒は声をあげた。
真緒がドラコに気を取られている間に、ハリーがスニッチを取ったらしい。

そして、未だ攻撃するブラッジャーをハーマイオニーが呪文で破壊したのが見える。
そしてロックハートがハリーに駆け寄って杖を構えている。

皆の呆れたような、唖然とした顔でハリーは医務室へと運ばれて行った。

真緒達も急いで向かうと、どうやら骨を抜かれたらしかったーー想像しただけでもぞっとする、と思いながら真緒は運ばれていくハリーを見送った。

＊

寮に戻ったグリフィンドール生は、沢山のお菓子やジュースを持ち込んでパーティーを始めた。

「それにしてもあのブラッジャー」

「どうせスリザリンの誰かの仕業さ」

「マルフォイの奴、フリントに怒鳴られてシュンとしてたぜ」

真緒は時計をちらりと見て、最後の罰則の為にスネイプ先生の部屋へと行こうと立ち上がった。
(ドラコに、お菓子の差し入れでもしようかな…)

お菓子を詰めたバスケットを持って、スネイプの研究室まで向かう。

「失礼します」
「ーーー嗚呼、君かね」

逆転負けしたスネイプの機嫌は最悪だった。
ギロリと目を光らせて、真緒のバスケットを奪った。

「これは、なんだね」
「お菓子です」
「それはそれはーー…勝者の余裕というわけですな」
「違、私、ドラコに差し入れをしようとーー」

スネイプは鼻を鳴らす。
「慰めなど自己満足に過ぎん」と冷ややかに言い放って、バスケットは返してはもらえない。

「返してください」
「ーーふんっ」

スネイプは冷ややかにそう言った後、バスケットを乱暴に突き返す。
「魔法薬学の教室の窓拭きだ」と低い声で言われ、真緒は「はい」とむくれた顔で返事をして、隣の教室へと移動した。

(ていうか、魔法薬学の教室って、窓なんてあったかしらーー…)