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判ってる ページ19

事務所の扉が慌ただしく開いた。駆け込んで来たのは敦君。然し彼の頭からは血が流れていて、直ぐに事態が尋常でない事を悟る。

「大変です、Aさんが……ッ!!」

敦君の口から飛び出した言葉は私を動揺させるにはあまりにも十分過ぎた。



────Aがポートマフィアに連れ去られた。



それこそ頭を思いっきり殴られたような衝撃が私の中を走った。

「早く彼女を助けないと「違うよ敦君」…えっ?」
「…鏡花ちゃんの時と同じだよ。Aは武装探偵社の正式な社員じゃあない。我々には彼女を助ける責任も義務も無いよ……そもそも秘匿されていたとは云え、横浜の暗部に頭まで浸かっていた黒社会の人間だ」
「殺人者…?」
「最近現れなくなった"捻れ殺人"が在っただろう。あの犯人はね、Aだったのだよ」
「森村がか!?」
「……彼女は自分の殺意に気が付かない侭マフィアを殺めていたんだ」

知らず私の声のトーンも低く落ちていた。

「……太宰」
「何?」
「忘れているようだが、森村は俺達の正式な依頼人だぞ。どうせそんな事を云って今も某かの算段を立てていたのだろう。……行ってやれ。早退くらいは大目に見てやる」
「…気付いてたんだ」
「当たり前だ。貴様と何年コンビを組んだと思っている。早く行け」
「……有り難う」

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ラシェーヌ(プロフ) - 谷崎さんの方も、お気に入りさせてもらってます!頑張ってください! (2017年3月10日 0時) (レス) id: 3e6f568126 (このIDを非表示/違反報告)
yol(プロフ) - ラシェーヌさん» ありがとうございます!谷崎さんの方も是非見てやって下さいませ… (2017年3月9日 20時) (レス) id: 6c952932f6 (このIDを非表示/違反報告)
ラシェーヌ(プロフ) - 感動しました!完結おめでとうございます! (2017年3月9日 9時) (レス) id: 3e6f568126 (このIDを非表示/違反報告)
yol(プロフ) - ミカさん» ひぃいいこんな拙作というか駄作でそんなコメントを頂けて嬉しいです!次回作も是非に… (2017年3月7日 21時) (レス) id: 6c952932f6 (このIDを非表示/違反報告)
ミカ(プロフ) - すいません…泣いてしまいました!良かったです…良かった…本当に良かったです!すみません、泣きながらなので文が変ですが許して下さい!でも感動しました!最後に一言太宰さんやっぱり貴方は最高だ!!! (2017年3月7日 21時) (レス) id: 17d57460f1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:yol | 作成日時:2017年1月31日 22時

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