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相「で、どんだけ強くなったら満足なんだよ、組入りでもしてから惚れてる女迎えに行く気かよ」
片「腕っ節の問題じゃねぇんだよ、度量の問題だ。俺はよ、バカだから暴れることに取り憑かれて、途中から目的見失っちまってたんだよ……中身はガキのままで、このザマだからな」
相「……はぁ」
でかいため息が思わず漏れた。これが頭で大丈夫なのかねウチはよぉ……。
智司のやつが納得するのをあいつが待てるかどうかなんて知らねぇが、その間にあっちからこっちからちょっかいかけられて、あいつが他に乗り換えねぇとは限らねぇ。それに、その度に今日みたいに智司に責められるようにされるってのは酷じゃねぇのか。
こいつは、それを分かってんのかねぇ。
相「じゃあよ、お前は待ってろって言ったのかよ、言ってねぇんだろ?A待たせたままここに放ったらかしてった時みてぇに、保証もねぇ約束すんのもどうかと思うけどよ、今回はその約束すら取り付けてねぇんだろ」
片「それ、は……」
相「あの日、あいつここでボロボロ泣きやがったんだぜ?」
俺はあの日の出来事を智司に洗いざらい話した。それは決して親切心からじゃなく、いつまでも開久の頭がこんな調子じゃ困るからだ。
あいつが泣いたという事実が、智司には余程こたえたらしい。まぁそうだ、強くなって守ろうと思ってた女をてめぇが泣かしたとなりゃ、こいつの性格からいってショックだろうよ。
相「だからよ、さっさと言っちまえ。そしたら晴れてカップル成立なんだからよ」
片「……そう上手くいくけばいいがな」
相「そんなに不安なら、俺よりあいつと仲のいいやつに聞けよ。赤坂理子とかいう三橋の女とかいるだろ」
俺の提案に智司は納得したようだった。しかしその俺の提案のせいで、俺はまたこのサテンであいつの泣き顔を見ることになるとは、思ってもいなかった。
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彼方(プロフ) - なーなーさん» 初めまして、コメントありがとうございます!幼少期の片桐くんの可愛さを受け入れていただいて嬉しいです(*^ω^*)可愛くしすぎてかっこいい片桐くんが好きな方に怒られるんじゃと不安でした笑。今後もこの作品をよろしくお願いします! (2018年12月28日 19時) (レス) id: 93a2639ec6 (このIDを非表示/違反報告)
なーなー - はじめまして!もう本当、読みながらニヤニヤしてますw 幼少期の智司可愛すぎか( ˙-˙ ) (2018年12月27日 23時) (レス) id: ceacf0dbdc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:彼方 | 作成日時:2018年12月17日 15時