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今「か、か、か、か、か、片桐がAさんと幼馴染だと……」
谷「なんか、すごい人だったんですね……」
『いや別にすごくはないと思うけど』
今「ま、まさかAさん……」

ぶつぶつと呟いていた今井くんがハッとしたように目を見開いて、私の名前を呼んだ。

『はい?』
今「まさか、片桐のこと、す、す、す、す……」
『す?』

私が首を傾げると、隣で見守っていた谷川くんが「あ、なんか見たことあるなぁ、これ」と呟いた。

今「す、す、涼しくなってきましたね最近」
谷「あ、やっぱり見たことある」
『え、そう?これから夏だけど……』
今「Aさぁぁん!」
『は、はい!』

勢いに押されて返事をすると、今井くんは小さい声で「片桐が好きなんですか?」と言ってきた。
私が頷くと、今井くんは「うわぁぁぁぁぁ!!」と叫んで崩れ落ちた。

谷「今回は早く終わったなぁ」
『あ、ごめんね!もう学校行かなきゃ!』

今井くんはまだ嘆いていたけど、私は学校に急いだ。遅刻はまずい、もうサボったりもしないんだから!

授業は退屈だけど、受けない訳にはいかないし、昼休みという楽しみもある。
最近は、昼休みは毎日屋上で食べることにしている。三橋くん達と一緒に食べるからだ。
それを彼に話したら、最初はあまりいい顔をしなかったけど、理子ちゃんと二人でお買い物に行ったりした話をしたら良かったなと言ってくれた。その時、彼に頭を軽くぽんぽんと撫でるように叩かれたのを思い出して、顔が熱くなる。
子供の頃と変わらない感覚で接した時に、ふと気付かされる成長。私達はまだ子供だけど、小さい頃に比べたらずっと大人になっているのだ。

さとちゃんも、ドキドキしてくれたらいいのに……。

そんなことを考えながら授業を受けているものだから、少しだけ成績が下がってきてしまった。いけないいけない、志望校には余裕で受かる成績のはずだけど油断はできないよね。

そして待ちに待ったお昼休み、私はお弁当を持って屋上に急いだ。

『あ、みんな揃ってる』

私が屋上に着くと、もうみんな揃っていて、理子ちゃんに何やら怒られながらお弁当を食べていた。

『どうしたの?』
伊「三橋のやつ、今日も早弁して佐川の奴に弁当貰ったんすよ。それでまた理子ちゃんに怒られてて」
『なるほどー仲良しね』

すとんと座ってお弁当を広げると、理子ちゃんが私の隣に飛んできた。

理「Aさん!仲良しとかそういうんじゃないんですよ!」

3→←見えない気持ち



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彼方(プロフ) - なーなーさん» 初めまして、コメントありがとうございます!幼少期の片桐くんの可愛さを受け入れていただいて嬉しいです(*^ω^*)可愛くしすぎてかっこいい片桐くんが好きな方に怒られるんじゃと不安でした笑。今後もこの作品をよろしくお願いします! (2018年12月28日 19時) (レス) id: 93a2639ec6 (このIDを非表示/違反報告)
なーなー - はじめまして!もう本当、読みながらニヤニヤしてますw 幼少期の智司可愛すぎか( ˙-˙ ) (2018年12月27日 23時) (レス) id: ceacf0dbdc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:彼方 | 作成日時:2018年12月17日 15時

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