狂渦に呑まれ【テンプレ集】 (ページ31)

今日:5 hit、昨日:0 hit、合計:8,018 hit

ページページ31

過去:彼の誕生を心から祝福してくれたのは誰だっただろう。
マリオンの母親は強烈なフェミニスト――というより男性差別主義者だった。彼女は子供を持つことを望んではいたが、「男」を生み育てたいとは全く思っていなかった。マリオンの母は男という生き物を生んだことを後悔しながらも、世間体のため、ブログの読者のためシングルマザーとして彼を育てることにした。
マリオンは親元で、褒められるということを知らずに育った。男だからできて当然、男は馬鹿だから、男のくせに……。そう言われ続けた彼は、自己肯定感というものを持てずにいた。

学校での成績は良い方ではなかったが、唯一美術だけは優秀で、教師も舌を巻くほどだった。絵描きとしてなら母にも認めてもらえるのでは、と思ったマリオンだったが、「そんなものが何の役に立つの？」と一笑されただけだった。

家庭の経済状況と、馬鹿な男に学校なんて行かせても意味がないという母の主張から、義務教育課程までしか卒業していない。
中学卒業後、家出して窃盗や空き家への不法侵入などを繰り返しながら、無意味に落書きをして日々を過ごしていた。そんな生活を続けて何年かしたころ、突如脳内に警報が響いた。スケープゴートに選ばれた――はじめて単なる男ではなく、特別な一人の人間として、全人類に認識された！
世界から注目を浴びるトクベツなニンゲン、赤や黄色の連中には及ばないが、世界に影響を与えるような人間になったマリオン。

世界中の人間の記憶に残っても、死んでしまえばきっとまた忘れ去られる。
後世に名を残すような、「最悪のスケープゴート」として生きたいと願った彼は、大っ嫌いな母親から貰った名を捨て「ノイズ」と名乗り、ウィンクルムへと加入した。

その他:過去からも分かる通り、絵を描くのが好き。他人の家や公共施設の壁に落書きをするのが好きなのもこのせい。
もしもまっとうな家庭に生まれていたら、美術学校に通っていたかもしれないし、別の進路を目指していたかもしれない。スケープゴートに選ばれてしまった以上、それは叶わない夢である。

フーセンガムが好物で、よく膨らませて遊んでいる。(そして道端に吐き捨てる)
ジャンクフード大好き。ヴィーガン向け食品は大嫌い。野菜はそんなに嫌いじゃない。