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閉門ギリギリまで準備をして玄関に出る。
夏の夕方らしい生暖かい風が肌をなでた。
イヤホンをして音楽を再生しようとすると
「A」
流星の声が聞こえたような気がした。
気のせいやと思って歩みを進めると
ポンポンと肩をたたかれる。
少しビックリして立ち止まる。
「お疲れ」
「…あ、流星。みんなも、部活お疲れ」
「お疲れ。A、疲れすぎちゃう？呼ばれてんのに全然気付かへん」
「ほんまに。流星、何回も呼んでたで？」
「ごめん」
「ええよ別に」
校門を出ると少し細い道になっていて
四人では歩けない。
当然に流星の隣はひかるちゃんだろうと思っていたら、しげと何やら話し込んでいる。
なんとなく落ち着かなくて流星を盗み見た。
「ん？何？」
「あ、いや、なんでもない。こうやって話すの久しぶりやなーって、それだけ」
「確かに。ええの、しげの隣におらんくて」
「…え？」
「え、しげのこと好きなんやろ」
「ちょ、何言うてんの！聞こえるやろ」
「へ、ごめんごめん。」
「もう、ほんとこんなとこで天然発揮せんでよ」
「ふふっ、ごめん。まあ、俺はAが幸せなら誰でもええけど」
思わぬ言葉に息が出来なくなる。
「後悔はしたらあかんで」
そんなもの心の奥底に閉まっていたつもりやった。
好きな気持ちに蓋をして、
これで大丈夫やと言い聞かせてきた。
それやのに…
なんで今さらそんなこと言うん？
しかも、まるで彼自身が何か悔やんでいるかのような表情で。
「信号」
「…えっ」
「はよ歩かんと赤なるで」
「…ん。ごめん」
何を後悔してるん？
その言葉を飲み込んで
横断歩道を駆けた。
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らび(プロフ) - ひかるさん» コメントありがとうございます。とっても励みになりました！頑張ります！ (2018年6月3日 20時) (
レス) id: 69089f919b (このIDを非表示/違反報告)
ひかる(プロフ) - お話楽しみにしてます！更新嬉しいです。頑張ってください！ (2018年6月3日 17時) (レス) id: 211b81a809 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らび | 作成日時：2018年5月3日 0時
