先生と私の日常(103) ページ6
大八木「で、鈴木さんとのあれは何?」
A『え、ああ…もう大丈夫なんです』
龍田「良くも悪くも行動あるのみって感じだね〜…」
だって、自分からやらなきゃ何も始まらないし……
大八木「…放課後残れる?遅れてもいいから」
A『え?』
大八木「今日だけ特別に再授業します。ちゃんと受けるように」
A『先生……』
やっぱり先生は優しいや。
鈴木さんもそういうところに惹かれたのかな……
(……っていうか、いたじゃん。ライバル……)
本当はもっとたくさん、いろんな人が先生のことを想ってるのかな?
(私…大勢の女子のうちの特別に……なれるかな?)
ううん、なるんだ。
A『…負けられないな』
大八木「は?」
A『何でもないですよ』
それだけ言って、改めて同じクラスの三人を見る。
ありさだけがずっと俯いてる。
A『じゃあ、改めて。庇ってくれてありがとう!』
ちょっと照れくさくて、笑顔で誤魔化す。
そんな私に不思議そうに木野下さんが訪ねてくる。
木野下「お、怒ってないの……その、そんな簡単に……ゆ、許す、みたいな……私たち……知らんぷりばっかりして、虐めてたのと…何も変わりないじゃん」
A『うん、でも…助けてくれたじゃん。それだけで十分だよ。すっごく嬉しいもん』
桜井「なんか…井上さんって変わってるね。イメージと全然違うっていうか……ずっと不機嫌そうで…もっと冷たい人だと思ってた。ごめん」
A『ふふっよく言われるから気にしてない。短気なのは本当だしね。…じゃあ、私もう行くね』
昼休みの今のうちにどうしてもやりたいことができたので、そう言って裏庭の方へと走る。
途中でいったん立ち止まり、みんなの方へ振り返った。
A『本当にありがとうね!』
それだけ言って、再び走り出す。
大八木「…たく、廊下は――」
木野下「こちらこそ…ありがとう!Aちゃん!!」
その声に思わずまた振り返る。
普段からは想像もできないほどの大声だった。
(木野下さん…大人しい子だと思ってたけど……)
泣きそうになりながらそう言ってくれた彼女に、思わず笑みがこぼれる。
そして私は今度こそ振り返ることなく走っていった。
木野下「行っちゃった……」
桜木「なんだ、あき…でかい声出せるんじゃん」
明るく笑う二人と対照的に、落ち込むありさを龍田は何も言わずにただ見守っていた。
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暁(プロフ) - 星月夜さん» コメントありがとうございます(o^―^o)ニコそうなんですよね。夢主ちゃんの人生は波乱万丈で少し可哀想な気もしてきます…(笑)更新は本当にバラバラですが、今後もこの作品のことをよろしくお願いいたしますペコリ(o_ _)o)) (2017年12月3日 17時) (レス) id: 23374c4c5d (このIDを非表示/違反報告)
星月夜 - 面白い展開ですね。本当に一難去ってまた一難って、感じで読んでてハラハラしちゃいます(о^∇^о) (2017年12月3日 16時) (レス) id: b0ad28a90c (このIDを非表示/違反報告)
暁(プロフ) - かたつむりんさん» ありがとうございます!何度も嬉しいコメントをありがとうございます。長くなってしまってますが、最後までお付き合いいただけたらと思います(o^―^o)ニコ (2017年10月25日 23時) (レス) id: 23374c4c5d (このIDを非表示/違反報告)
かたつむりん(プロフ) - 第参弾おめでとうございます!鈴木さんと和解できてよかった……。これからも頑張ってください! (2017年10月25日 16時) (レス) id: f35d15b5f6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:暁 | 作者ホームページ:
作成日時:2017年10月24日 22時