教師×生徒＝ＬＯＶＥ！？第参弾

先生と私の日常(128) ページ31

(先生……)


また胸が締め付けられる。


いろいろ理解できない私の脳裏に浮かんだのは兄に甘えて泣いたあの日の夜。


好きだからこそ、傍に居ちゃいけないのかもしれない……居ることで先生を苦しめてしまうなら。


(でも……)


知花ちゃんのことで私は学んだ。


だから…余計に離れたくない。


宮美「盗み聞きなんて、趣味悪いな」


A『わッ！びっくりしたってん急に声かけないでよ。まだ帰ってなかったの…？』


先生たちに気づかれないようにひそひそ声で話す。


蹲っている私と先生たちを交互に見て、会長は目を細めた。


宮美「なるほど…ね」


A『とりあえず、そのいかにも悪い事企んで増すみたいな目つきやめてくんない？』


宮美「人の顔にケチつけんな。…帰るぞ」


A『はぁ？…って、ちょッ、引っ張るなー！』


襟をつかまれ強制退出させられる。


(でもまぁ…ちょっとは助かったかも)


話しを聞きたい気持ちもあるけど、それ以上に先を聞くのが怖い。


A『ていうか、今までどこで何してたの？』


宮美「先生たちと打ち合わせ。…荷物まとめてあんだろ？さっさと取って来いよ」


A『取ってきたとしても、あんたとは帰んないからね』


宮美「お前に拒否権なんかあると思ってんのか？さっさと行け」


この横暴俺様野郎ッ！


(いつか絶対仕返ししてやる…)


そう思いながら言われたとおり鞄を取りに行き、下校する。


すっかり暗くなった道を二人で歩いてると冷たい風が頬に刺さる。


A『秋って言っても寒いな。……頭はスッキリするけど』


宮美「あのさ…」


A『何？』


宮美「お前、教師と生徒の恋愛なんて間違ってるとか思わないの？」


なんて嫌なタイミングで聞いてくるんだろうコイツ。


A『そりゃ、そうかもしれないけど…好きになったんだからしょうがないっていうか。感情を理性で抑えられるほど大人じゃないし。好きって気持ちに気づいたら、そんなこと考えてられないの』


宮美「報われない可能性100％だな。想いの一方通行ってこういうことを言うんだ」


A『いちいち言われなくてもわかってるってのッ！』


宮美「あいつ、迷惑がってんじゃん。突き放してんのも、関わってほしくないからだろ？」


だから、わかってることをいちいち言うなっての。


A『……あんたの言うことは間違ってない。迷惑がられてるのもわかってる。でも…私は先生じゃなきゃヤなの』

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