先生と私の日常(116) ページ19
次の日、ドキドキしながら私たちは教室に向かった。
相変わらず、表立ったいじめはないものの私たちはクラスで浮いてる。
高野さん達に畏怖を抱くものや協力する人ばかりで、実質、あまり変わらない。
それでも、私たちは特に気に留めることはなかった。
話し合いをしたからと言って、変わるなんて思ってなかったし。
(……ホームルームまでが長いよ)
昨日、被害者の保護者……つまり母が、自ら学校に出向いて、校長先生に龍田先生を担任に戻せと言ってくれたのだが、実際どうなったのか……。
とうとうその時間が来た。
心臓の音がうるさい。
(お願い……)
ドアを開く。
現れたのは龍田先生だった。
嬉しくて、思わず笑みがこぼれる。
(良かった〜……)
みんなの方を見ると、みんなも笑ってた。
龍田「昨日は休んですみませんでした。じゃあ、今日の流れを――」
いつもと変わらない、龍田先生の姿に思わず安堵した。
ホームルームが終わり、龍田先生に4人で駆け寄る。
A『先生ッ……!』
龍田「みんな…聞いたよ。ありがとう」
ありさ「よかった……戻ってきてくださって、ありがとうございます」
龍田「お礼言うのは俺のほうだよ。実は、いろんな子が校長先生に言ってくれてたみたいで。大八木先生も何度も頼んでくれて…Aちゃんのお母さんをはじめ多くの保護者の方ももわざわざ来て歎願してくれたみたいで……。ほんと、幸せ者だよ」
実は私の母以外にも、あきや優、ありさの母…そして、なんと鈴木さんまでもがお母さんと一緒に校長先生に頼んでくれていたらしい。
(でも、龍田先生ならみんな庇いたくなるよ……だって……)
優「それは先生が築いてきた今までがあるからだよ」
思ってたことを先に優が言ってしまった。
(同じこと考えてた……)
不思議な感じがして、思わず笑ってしまう。
龍田「そう言ってくれて嬉しいよ。ほんと、ありがとう。じゃあ、次授業あるから、行くね」
優し気な笑顔を浮かべて、教室を出ていこうとする先生。
私は、みんなに予定通り合図した。
A『せーのッ…』(小声)
4人「先生、おかえりなさい!!」
それは、昨日から戻ってきてくれた時はこういおうと決めていたものだった。
いろんな気持ちを込めて、笑顔で言う私たち。
驚いた先生は振り返って、答えるように照れたように笑ってくれた。
こうして、本当に今回の件は幕を閉じたのだ。
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暁(プロフ) - 星月夜さん» コメントありがとうございます(o^―^o)ニコそうなんですよね。夢主ちゃんの人生は波乱万丈で少し可哀想な気もしてきます…(笑)更新は本当にバラバラですが、今後もこの作品のことをよろしくお願いいたしますペコリ(o_ _)o)) (2017年12月3日 17時) (レス) id: 23374c4c5d (このIDを非表示/違反報告)
星月夜 - 面白い展開ですね。本当に一難去ってまた一難って、感じで読んでてハラハラしちゃいます(о^∇^о) (2017年12月3日 16時) (レス) id: b0ad28a90c (このIDを非表示/違反報告)
暁(プロフ) - かたつむりんさん» ありがとうございます!何度も嬉しいコメントをありがとうございます。長くなってしまってますが、最後までお付き合いいただけたらと思います(o^―^o)ニコ (2017年10月25日 23時) (レス) id: 23374c4c5d (このIDを非表示/違反報告)
かたつむりん(プロフ) - 第参弾おめでとうございます!鈴木さんと和解できてよかった……。これからも頑張ってください! (2017年10月25日 16時) (レス) id: f35d15b5f6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:暁 | 作者ホームページ:
作成日時:2017年10月24日 22時