先生と私の日常(112) ページ15
A『遅くなりました〜すみませ……ん?』
教室に入ってすぐ、先生の異変に気がついた。
(泣いてる……?ううん、泣いてないや…。でも……)
凄く悲しそう。
(どうしたんだろ…らしくないな)
ちょっとためらったけど、意を決して先生に話しかける。
A『せーんせ。授業、やってくれるんですよね』
明るい口調で、肩をポンと叩く。
(触れないことも…優しさだよね?)
やっと気づいた先生は、一瞬だけど傷ついたような顔をした。
でもすぐにいつもの顔に戻って、笑った。
大八木「岸さんとは仲直りできたみたいだな。その様子じゃ」
A『う…ん。できたよ』
大八木「良かったな」
A『せんせ…私、なんかしたかな?』
大八木「は…?なんで?」
A『いや…なんか……』
言葉が出てこない。
けど、今の先生にはすごく違和感を感じる。
それを、どう言葉にしたらいいのかわからない。
(見間違い…だったのかな?)
A『なんでもない、です…』
大八木「あっそ。じゃあ、始めるぞ」
それから何でもないように時間は経って、放課後授業は終了した。
結局、あの時感じた違和感はなんだったのかはわからなかったけど、確かめるすべもないので気にしないことにした。
家に帰ると、兄たちがあたたかく迎えてくれた。
めずらしく、早く帰ってきた母も今日のことを話すと、自分の事の様に喜んでくれた。
いつもは、私に冷たい猫のミーも今日だけは優しくすり寄ってくる。
なんだか、「よくやったな」って言われてるみたいで、嬉しい。
次の日、いつものように登校していると、突然後ろから声が聞こえた。
木野下「Aちゃん、おはよう……」
A『あ、木野下さん。それに桜木さんも』
桜木「優でいいよ。あっ、でもみんなからはさぁさって呼ばれてるし、どっちでも可」
木野下「私もあきでいいよ」
明るい笑顔でそういう桜…優と、控えめで優しい笑顔を浮かべるあき。
(なんかこういうの、久々っいうか、初めてだから嬉しい)
それにしても、あきは本当に控えめって感じで大人しいな。
(昨日が嘘みたい…)
桜木「なぁ〜に、考え込んでんの」
A『うわぁ…!?』
背中を押され、ビックリした。
桜木「ていうか、Aもこっちの方から来てたんだ。今度から一緒に来ない?」
A『……!うん!』
今までと違う朝が、こんなにも嬉しいものだなんて知らなかった。
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暁(プロフ) - 星月夜さん» コメントありがとうございます(o^―^o)ニコそうなんですよね。夢主ちゃんの人生は波乱万丈で少し可哀想な気もしてきます…(笑)更新は本当にバラバラですが、今後もこの作品のことをよろしくお願いいたしますペコリ(o_ _)o)) (2017年12月3日 17時) (レス) id: 23374c4c5d (このIDを非表示/違反報告)
星月夜 - 面白い展開ですね。本当に一難去ってまた一難って、感じで読んでてハラハラしちゃいます(о^∇^о) (2017年12月3日 16時) (レス) id: b0ad28a90c (このIDを非表示/違反報告)
暁(プロフ) - かたつむりんさん» ありがとうございます!何度も嬉しいコメントをありがとうございます。長くなってしまってますが、最後までお付き合いいただけたらと思います(o^―^o)ニコ (2017年10月25日 23時) (レス) id: 23374c4c5d (このIDを非表示/違反報告)
かたつむりん(プロフ) - 第参弾おめでとうございます!鈴木さんと和解できてよかった……。これからも頑張ってください! (2017年10月25日 16時) (レス) id: f35d15b5f6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:暁 | 作者ホームページ:
作成日時:2017年10月24日 22時