先生と私の日常(111) ページ14
鈴木side
鈴木「私はあなたに恋してます」
(これでいいんだ…)
偽りのない気持ちを言えただけでいい。
想いを知ってもらえただけでいい。
答えは知ってるから。
大八木「鈴木さん……ごめん。その気持ちにはこたえられない」
(わかってた……)
なのに、チクリと痛む胸がそうじゃない言葉を望んでたんだって教えてくる。
鈴木「ですよね。すみません、困らせちゃった。聞いてくれてありがとうございます」
大八木「………」
そんな暗い顔しないでよ。
私、今すごく……スッキリしてるんだから。
やっと嫌な自分から解放されたみたいで、嬉しいんだから。
鈴木「ふふっ、よかった…。なんか急に心晴れたみたいです」
大八木「え……」
鈴木「初めからこうしてればよかった。そしたら、あんなことしなくてよかったのに……」
私に向き合う勇気がなかったせいで、たくさんいろんな人に迷惑をかけてしまった。
(あの子みたいな勇気が私になかったから……)
でも、もう言えた。
きっぱり断られたし、諦めもついた。
もう変われる。
やっと嫌な自分から変われるんだ。
鈴木「ねぇ、先生。お願い、してもいいですか?」
大八木「え、鈴木さん?」
鈴木「それ。やめてくれませんか?」
大八木「は…?」
鈴木「井上のことはAって名前で呼ぶのに、私はいつまでたっても苗字呼びでしょ?私も先生に麗奈って呼んでほしいな」
先生は驚いたような顔をした。
でも、すぐに微笑んで「いいよ」っていってくれる。
大八木「変わったね」
鈴木「たった一日で変えられたんですよ」
大八木「Aに?」
鈴木「不思議な子ですよね。全っ然、めげないし。敵に塩送るし。イラっと来るし」
大八木「まぁね」
鈴木「お人好し過ぎるし。今回のことも簡単に許しちゃうし…」
大八木「嫌い?」
鈴木「嫌いですよ。でも……ちょっとは好きかも、です」
そう言うと、大八木先生は笑った。
私も笑って、教室を後にしようとした時、
大八木「麗奈。断りはしたけど……さっきのは嬉しかったよ。ありがとう」
なんて言って、気遣ってくれる。
それが嬉しくて、少し歯がゆい。
歩きながら改めて思う。
(これでよかったんだ……)
私は変われた。明日からまた新しくなる。
(だから、今だけ……今だけだから)
泣いてもいいですか?
誰もいない寂しい廊下。
少し冷たい秋の風が、恋の終わりを告げてきた。
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暁(プロフ) - 星月夜さん» コメントありがとうございます(o^―^o)ニコそうなんですよね。夢主ちゃんの人生は波乱万丈で少し可哀想な気もしてきます…(笑)更新は本当にバラバラですが、今後もこの作品のことをよろしくお願いいたしますペコリ(o_ _)o)) (2017年12月3日 17時) (レス) id: 23374c4c5d (このIDを非表示/違反報告)
星月夜 - 面白い展開ですね。本当に一難去ってまた一難って、感じで読んでてハラハラしちゃいます(о^∇^о) (2017年12月3日 16時) (レス) id: b0ad28a90c (このIDを非表示/違反報告)
暁(プロフ) - かたつむりんさん» ありがとうございます!何度も嬉しいコメントをありがとうございます。長くなってしまってますが、最後までお付き合いいただけたらと思います(o^―^o)ニコ (2017年10月25日 23時) (レス) id: 23374c4c5d (このIDを非表示/違反報告)
かたつむりん(プロフ) - 第参弾おめでとうございます!鈴木さんと和解できてよかった……。これからも頑張ってください! (2017年10月25日 16時) (レス) id: f35d15b5f6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:暁 | 作者ホームページ:
作成日時:2017年10月24日 22時