教師×生徒＝ＬＯＶＥ！？第参弾

先生と私の日常(99) ページ2

一方教室では―

ありさside

(龍田先生……信用してもいいのかな……)


大八木「…じゃあ、次の問題は…岸さん。解けたかな？」


ありさ「え、あ…すみません。まだ、解けてなくて……」


そう答えた私に高野さんと柴谷さんがくすくすと笑いながら冷やかしを言う。


高野「解けてないんだって…こんな簡単なのに」


柴谷「仕方ないよ。ありさちゃん、虐められて傷ついてるんだもん」


大八木「…私語は控えるように」


大八木先生と目が合う。


私は罪悪感から目を逸らしてしまった。


(虐められてたか……嘘ばっかり)


傷ついたのは私の心じゃない。


Aの心。


(A…どこにいるの？)


あなたに言わせて。


私のほんのひとかけらの勇気を貴方に―



授業が終わっても鈴木さんもAも帰ってこなかった。


高野「優ちゃん、どこ行ったんだろ？」


井藤「Aちゃんにボコられてるんじゃない…」


大八木先生がまだいるのに、聴こえるようにわざと言ってる。


(やだな…Aは悪くないのに、悪者みたいな雰囲気)


やだな…誰もAを庇ってあげられないの？


(本当にやだ……)


どうしてこんな時に声が出ないの？


三人はAの悪口を大きな声で言う。


クラスのみんなも話を合わせる。


(違う…Aはそんな子じゃない！)


見かねた大八木先生が口を開こうとした時、一人の女子がそれを遮った。


木野下「あの…もうこれやめませんか？」


高野「はぁ？なに…木野下さん。なんか言った？」


木野下「ご、ごめんなさい…でも、こんなのってやっぱり良くない、と思うから……ごめんなさい」


クラス中の誰もが驚いた。


内気で大人しい木野下さん。


発言もしなければ、常にだれかの顔色を窺っていた。


みんなと同じように流されやすい子だったのに。


桜木「私も…ヤダな。ど、どうせこんなの……すぐにばれるし。井上さん、可哀想」


柴谷「はぁ？今まで同じように笑ってたやつが何言ってんの？」


(し、柴谷さん達…本気で怒ってる。他は誰も助けないの？このままじゃ、二人まで……)


どうして大八木先生は黙ってるの？


誰か、誰か……


(違う！私だ……)


ありさ「もういいじゃん！やめようよ。こういうの…二人の言うとおりだよ。先生、私知ってること…自分がしたことを全部話します。まだ、間に合いますか？」


大八木「…職員室まで、来てもらっていいかな。木野下さん、桜木さん、岸さん」

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