次元を超えて(8) ページ9
『か、返さぬかッ!!それは…わらわの侍女が大切にしていたものじゃ!ひ、人の皮をかぶった…妖め、はよう返せッ』
「貴方…これの持ち主と一緒にいるのですか?」
男はAの手を取った。
『ひぃぃ…ッ!やめよ、離さぬか!!わらわなど…食うても美味しゅうないぞ!!』
「会わせてください!あの子に…ウォルに、会わせてください!!」
『そんな名の者など知らぬッ!それは霧ノの物じゃ…!!』
男・ジャーファルはそれを聞くと悲しげな顔をして肩を落とした。
「そんな、はず……だって、これは私が彼女に送ったもので……」
『たまたま同じものを持っておっただけやもしれぬ…はよう返せ……』
流石に怒鳴る気にはなれなかったが、霧ノがくれた護身用の小刀を返すように再度言う。
ジャーファルは大人しくそれを返し、手を離した。
「ジャーファルッ!!その子を守れ!」
二人の後を追ってきた他の面々が海岸へ集まったとき、突如としてマギ・ジュダルが現れた。
ジュダルは地上に足を付けるなり、Aをじっと見つめる。
「なんだぁ!?その女、ルフが宿ってねーじゃん」
「ジュダル!ジャーファルと彼女から離れろ!!」
シンドバッドが叫ぶが、ジュダルは気にも留めない。
Aは目つきの悪いジュダルが鬼神のように見え、ますます混乱した。
(わらわは…こやつに殺されるッ!!わらわを食いに来たのだな…こやつ!!)
ガタガタと震え、思わずジャーファルの袖をギュッとつかむ。
(もう嫌じゃ…こんなところ……!泉に戻りたい…ッ!!)
ジュダルがAに手を伸ばす。
恐怖のあまり、Aは目を瞑り思いっきり叫んだ。
『もう嫌じゃッ!わらわは死にとうないッ!!』
帰りたいと願ったその瞬間、Aの体は再び光始める。
「な、なんだ…!」
その場にいた誰もが驚く。
Aの体が光に覆われた時、シンドバッドが叫んだ。
「ジャーファルッ!!」
「シン!これは…」
ジャーファルは助けを求めるようにシンドバッドの方を見たが、言葉を言い終えることなくAとともに消えた。
「ジャーファル!!」
光とともに跡形もなく消えてしまった仲間の名を叫ぶが、返事が返ってくることはなく、その場が静まり返った。
その後、何日たってもジャーファルがシンドリアに帰ってくることはなかった。
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岸田(プロフ) - 青李、李青秀なので呼び方は李青秀か青秀なのではないでしょうか…? (2019年2月2日 10時) (レス) id: a6cde36435 (このIDを非表示/違反報告)
暁(プロフ) - スノーさん» ありがとうございます、嬉しいです♪更新スピードバラバラですが、最後までお付き合いください(o*。_。)oペコッ (2017年11月14日 21時) (レス) id: 23374c4c5d (このIDを非表示/違反報告)
スノー(プロフ) - 昨日見つけて一気見しちゃいました!続きを楽しみに待っています! (2017年11月14日 21時) (レス) id: 61560a1736 (このIDを非表示/違反報告)
暁(プロフ) - MIZOREさん» ありがとうございます(*- -)(*_ _) (2017年10月14日 15時) (レス) id: 23374c4c5d (このIDを非表示/違反報告)
MIZORE - 暁さん» 私も一安心しました... 再ログインできて良かったですね! これからも更新楽しみにしてます! (2017年10月13日 22時) (レス) id: a68bb744ad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:暁 | 作者ホームページ:
作成日時:2017年9月30日 21時