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次元を超えて(45) ページ46

(ふふふっ、色が変わってる…みんな、いい具合に濁った色になってるなぁ)


人の不幸ほど、甘く魅力的なものはない。

もっともっと、この蜜を味わいたい。


千夜は余裕すら感じさせる涼しい顔で霧ノを見る。


「必死だね。…そんなに、そこのお姫様に嫌われるのは嫌?」

「……ッ」

「敬愛しているお姫様は君が…君たちが暗殺者だったなんて思いもしてないんだろうね」

『えッ…』


あん、さつ…しゃ……?

誰が?


霧ノとジャーファルを交互に見る。

ジャーファルは俯いたまま、霧ノは終わりだとでも言いたげな絶望の色に染まった眼をしている。


(二人が…暗殺、者……?)


そういえば、つい先ほども千夜は言っていた。




―何日も使用人を殺しただけある―



(本当…なのか……?霧ノが…?ジャーファルが……??)


嘘だ。

嘘に決まってる。


霧ノは非力だし、何でも無気力で…心優しくて……そんなことできる子じゃない。

ジャーファルだって……


「信じられない?なら教えてあげる。……霧ノはね、ジャーファル君と同じ――」

「やめろぉぉぉぉッ!!!」


霧ノは叫びながら、千夜を切りつけようとする。

が、舞でも踊っているかのように優雅にそれは躱された。


「ふふっ、非力な女の子がこんな風に武器を操れるとでも思う?身軽な動きも、急所を狙って投げてきた暗器も…幼いころから、人を殺すために鍛えられてきたからこそなせる業なんだよ?」


確かに…そうだ。

Aが知っている霧ノはこんな風に俊敏には動けない。

こんな風に感情をむき出しにして、人を殺そうとしない。


今、霧ノは間違いなく千夜を殺そうとしているのだから……


「……千琳を殺したのも彼女だよ」

『そ、んな……ッ』

「『呪い』のせいにして、君に罪を押し付けた…最悪の魔人なんだよ。人の皮を被った化け物だ。妖を何ら変わらないんだよ」


霧ノが、妖……?


『違うッ…違う!霧ノは心優しき女子じゃ!!人の温かみがある!!妖などではないッ!!』

「A様……」

「ふふふっ、温かみ?そんなものないよ。自分を守るためなら、君だって使う。冷酷で冷たい氷の女王様だ」

『違う!霧ノは優しい子だもの…人を殺すような子じゃない!!それ以上、霧ノを侮辱するのなら、いくら千夜様でも…!!』


霧ノがくれた短剣を、千夜に向ける。

それがどんなに悪い事だか、しているのに……


どうしても、霧ノを守りたかった。

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設定タグ:ジャーファル , マギ , トリップ   
作品ジャンル:恋愛
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岸田(プロフ) - 青李、李青秀なので呼び方は李青秀か青秀なのではないでしょうか…? (2019年2月2日 10時) (レス) id: a6cde36435 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - スノーさん» ありがとうございます、嬉しいです♪更新スピードバラバラですが、最後までお付き合いください(o*。_。)oペコッ (2017年11月14日 21時) (レス) id: 23374c4c5d (このIDを非表示/違反報告)
スノー(プロフ) - 昨日見つけて一気見しちゃいました!続きを楽しみに待っています! (2017年11月14日 21時) (レス) id: 61560a1736 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - MIZOREさん» ありがとうございます(*- -)(*_ _) (2017年10月14日 15時) (レス) id: 23374c4c5d (このIDを非表示/違反報告)
MIZORE - 暁さん» 私も一安心しました... 再ログインできて良かったですね! これからも更新楽しみにしてます! (2017年10月13日 22時) (レス) id: a68bb744ad (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作者ホームページ:   
作成日時:2017年9月30日 21時

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