次元を超えて(13) ページ14
「えっと…あの方は……」
「この屋敷の主であり、A様の母君…華霧家当主・華霧 采華様です」
(Aって…あの少女のことですよね。親子でこんなにも違うのか……なんというか、カッコいい感じの人だったなぁ…)
「素敵な女性ですね」
「はい。寛容なお心をお持ちで…とてもお優しい方なんです」
頬を赤らめて、幸せそうな顔をする霧ノ。
尊敬と憧れのこもった瞳を見ると、采華がどれほどの人間なのかがわかった。
(私で言う…シン、のような存在なのですね。誰からも慕われ、頼りにされる)
こんな素晴らしい人の娘がアレかと思うと、世界とは不思議に満ち溢れていると思えてきた。
礼も言えない。常に命令口調。
何かしてもらうのが当たり前。
自分が世界の中心のような口ぶりは、本当に頭にくる。
そんなジャーファルの考えを読み取ったかのように霧ノは言った。
「A様は幼いころより乳母に育てられ、女房や侍女が周りにおられたので、采華様がA様にお会いになるのは滅多になかったと申しますか……」
「ああ。それで。…あなたもAさんに仕えているのですか？」
「はい。A様付きの侍女をしております」
どこの世界も身分の高い者は変わらない扱いなんだなと思った。
当主だと言っていたし、忙しいのだろう。
それにしたって……
「はぁ…」
ジャーファルは深いため息をついた。
(ちょっとは親を見習っていただきたいものです……)
「ある程度の決まり事などを教えていただければ、あとは自分でやりますし、霧ノさんはAさんの傍にいてあげてください。極力迷惑をかけないようにしますので」
「そう…ですか？」
「ええ。自分でできることは自分でしますよ」
「…どうぞ、ご自分の家だと思って自由におくつろぎください。困ったことがあれば何でも言ってくださいね」
霧ノは一礼して部屋を出た。
(にしても…随分変わったなぁ。あれが本当にジャーファル？)
そんな疑問を抱きながら。
Aの部屋に着いた霧ノは目に飛び込んできた光景に驚いた。
Aが倒れているではないか。
「A様！？どうなされたのですか！もしやどこか具合が…」
心配する霧ノ。
Aが熱でも出して苦しんでいるのではないかと思ったのだが…
返ってきたのは、規則正しい寝息。
「なんだ…寝てただけか〜」
寝ている主に優しく上着をかけ、隣に座る。
(夢みたいな日だったな…今日は)
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岸田(プロフ) - 青李、李青秀なので呼び方は李青秀か青秀なのではないでしょうか…？ (2019年2月2日 10時) (
レス) id: a6cde36435 (このIDを非表示/違反報告)
暁(プロフ) - スノーさん» ありがとうございます、嬉しいです♪更新スピードバラバラですが、最後までお付き合いください(o*。_。)oペコッ (2017年11月14日 21時) (レス) id: 23374c4c5d (このIDを非表示/違反報告)
スノー(プロフ) - 昨日見つけて一気見しちゃいました！続きを楽しみに待っています！ (2017年11月14日 21時) (レス) id: 61560a1736 (このIDを非表示/違反報告)
暁(プロフ) - MIZOREさん» ありがとうございます(*- -)(*_ _) (2017年10月14日 15時) (レス) id: 23374c4c5d (このIDを非表示/違反報告)
MIZORE - 暁さん» 私も一安心しました... 再ログインできて良かったですね！ これからも更新楽しみにしてます！ (2017年10月13日 22時) (レス) id: a68bb744ad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：暁 | 作者ホームページ：
作成日時：2017年9月30日 21時
