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囚われの副隊長様【攻】【長門 奏】 ページ9

「失礼しますね、見張りに来ました。」

いつも通り軽く笑みを浮かべて、私達レボディショナルが拷問する時に使う"部屋"の扉を開ける。
血がこびりついて落とせない、汚れた床の上に、囚われの副隊長さんが気絶して倒れていた。それを困ったような顔で見つめていた同じ第一隊員の絢さんがぱぁっと顔を輝かせてこちらを見つめるのは、この部屋とあまりにも不似合いだった。

「奏ちゃん!ありがと〜!!みんな来れなさそうだったから助かる〜!」
「いえ、お安い御用ですよ!ここは私が受け持ちます、絢さんは…前線に戻れますか?」

いくら絢さんが元気と言えど、首に真っ赤な締め後を残した状態で無理して前線に行って倒れられても困る。
無理して行かなくても大丈夫です、行けますか?ともう一度念を押すように言ってみたが、絢さんは大丈夫大丈夫!と元気一杯に笑っていて、それに釣られて思わず私も微笑んだ。

「ふふっ、そんなに元気一杯なら大丈夫ですね。それじゃあ、無理しないで頑張って下さい」
「はいはーい!それじゃあね〜!」

手をぶんぶんとこちらに振って元気一杯に"部屋"を出て行く絢さんに、私も軽く手を振り返す。

……さて、この呑気に気絶している副隊長様をどうしたものか、と迷いながらぺちぺちと副隊長様の頬を叩いてみる。まぁ勿論これっぽっちじゃ起きないのだけれど。
"部屋"には拷問器具は揃っているが、起こすための水とか、そう言うのは無い。まぁだから、自力で起こすしか無いのだ。
ここには監視カメラも無いし、多少の荒事は許されるだろう、そう思って、脚を振り上げる。

「起きてくださーい」

勢いのついた右足の爪先が副隊長様の腹にめり込み、軽く血反吐を吐き出しながら彼女は意識を浮上させた。
無理矢理起こされた彼女は、はっ、はっ、はっ、と荒い息を漏らしながら、焦点の合わない瞳でこちらを捉えた。あぁ、辛そうだなぁ、なんて思ってみようとするが、やはり彼女に興味が無いので同情とかは出来なかった。

「あ、起きましたか?おはようございます。」

にこっと微笑んでそう言ってみたが、やはり彼女はこちらをキツく睨んでいる。そんな彼女を宥めるかのように、私は彼女の目の前にしゃがみ込んで、彼女と目線を合わせてみる。
敵意とか無いですよ、と言いたげに微笑み続けると、副隊長様は疲れたのか、はたまた睨むのは無意味と理解したのか、どちらかは分からないがようやく睨むのをやめた。

私のやり方【攻】【長門 奏】→←マイナス思考 【守】【荒川瑠架】



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- 更新しました! (2020年3月1日 18時) (レス) id: a0941ce1f9 (このIDを非表示/違反報告)
- お久しぶりです。更新しまーす! (2020年3月1日 17時) (レス) id: a0941ce1f9 (このIDを非表示/違反報告)
しじみごはん(プロフ) - 更新しましたーー!!! (2020年2月23日 11時) (レス) id: a2f3698a22 (このIDを非表示/違反報告)
しじみごはん(プロフ) - 更新します〜〜 (2020年2月23日 10時) (レス) id: a2f3698a22 (このIDを非表示/違反報告)
星蝶 - 更新しました! (2020年2月11日 22時) (レス) id: 6888f46f20 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:星蝶 x他3人 | 作者ホームページ:http  
作成日時:2020年1月4日 12時

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