Prisonerworld【小説】 (ページ7)

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戦いの予感【守】【荒川瑠架】ページ7

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遠くから聞こえる銃声で目が覚めた。

「ふぁ…………うるせーな」

人がせっかく楽しい夢を見てんのに、なぁに起こしてきやがるんだこの野郎。
……なーんて、言ってる場合じゃねぇんだよなーこの状況は。

アタシはぐいんと勢いを付けて身を起こす。
林の中の開けた場所。地面を草が覆っていて、木の隙間から洩れた光が所々を照らしている。
見覚えのある場所＿＿＿っていうか、昨日能力(チカラ)の練習してたトコだ。
めちゃくちゃ疲れてた記憶はあるけど……ったく、あのまま寝ちゃったのかよ。アタシもだらしねぇなー。

そんな事を思いつつ、四方に意識を向けてなんの気配もないことを確認する。
銃を撃つなんてよっぽどのことだ。たぶん、またガーディアとレボディショナルの戦いが始まったんだろう。

「早いとこ戻らねぇとな……」

こんなトコで戦いもせず今の今までぐっすり眠ってたなんて知れたら、ガオッチに蹴飛ばされちまう。地味に痛ぇんだよな、あれ。

すっと立ち上がって、なるべく音を立てないように林の中を進む。
気配は感じられないけど念のため。レボディショナルの連中に見つかったら元も子もねぇからな。
アタシの役目はコアを守ること。そのためにはまずシェルターまで戻らねぇと。

そう思うと、昨日の自分が悔やまれる。
秘密の特訓だーなんて、誰にも言わずにこんなトコに来ちまって。こんなことなら練習場所は稽古場にしとくんだった。それだったらアタシもすぐに持ち場につけたのにさ。まぁ、今さらそんなこと思ったってしょうがない。

木の影からそっと顔を出し、目の前に広がる草原を見やる。
地面が抉れていたり血が飛び散っていたりと、争いの跡があちこちにある。
それに、遠くの方にうっすらと人影が見える。人数の多さと聞こえてくる音の激しさから、きっとあそこが戦いの最前線なんだろう。
ていうか、ガーディアのシェルターってあの争ってるとこの向こう側だったような。
そして戦いの陣形と参戦する奴や後退する奴の位置関係を見るに……。

＿＿＿どうやらここはレボディショナルのシェルターにかなり近いらしい。

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