Prisonerworld【小説】 (ページ22)

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感情を抑える“何か”【守】【夕凪蝶葉】ページ22

「アタシに考えがある。」

「…考え…？」

「ああ。アイツが今洗脳にかかっているのなら、とりあえず見張りとして数人は周りについている筈だ。見張りだけではなく、ここが『唯一の居場所』と思わせる為に。だから基本活動している時は一人じゃないと思うんだ。
だから、朝である今、アイツを無理にでも連れ帰る。そうしないとダメだと思う。」

「なるほど…なら行きましょう。
恐らく見つかり難く、新しい部屋…
となるとここ。」

ドアを開くとそこには湊さんが。起きていたようで、驚いたように私たちを見る。

「…ガーディアの人…？…やめて、来ないで…！」

震えながらも叫ぶ彼の手元には何かのスイッチが。

「っ！！」

「やっぱり来た…大丈夫ですか？湊さん…」

「っと…湊～！大丈夫！？」

風守や奏を含めた数人が私と瑠架さんを囲む。そうか。最初から全部予測してたんだ。

身体中を得体の知れない何かが支配して動けなくなる。

「来ると思ってましたよ！副隊長様にもぐらさん！」

満面の笑みで微笑む彼女を見て何も考えられなくなる。

よくも。よくも私の大切な人を。

「まあ、気に入ってしまったのでしばらく帰す気ではありませんでしたが……っ！？」

その瞬間、私は彼女の声帯を切っていた。私を抑えていた最後の何かがちぎれた。

「……ハハ……アハハ…」

「…おい、蝶ちゃん？」

「ッハハハハ！！！よくも、よくも私の大切なモノを奪ったな！！」

「おい！蝶葉！！」

違う。こんなの私じゃない！何で、何で止まってくれないの！奏、逃げて！

「もういいよ。さっさと殺してあげる。」

にこりと私が笑みを浮かべたと同時に、瑠架さんの能力で爆発が起きた。

「奏…貴女はなぜここに来てしまったの…」

身体が言うことを聞いた数秒間、奏を抱きしめ問いかける。瑠架さんにより身体が引き離されて、
その瞬間私の意識は途絶えた。