Prisonerworld【小説】

無防備 【守】【龍神 湊】 ページ16

僕はぐったりと床に座って壁にもたれかけてた
ハサミの女の人はずっと僕の糸を切ったり
結んだりしてる
ねぇそれなんの意味があるの……？
僕は怖くて仕方がなかった涙をずっとこらえて
周りを見渡し逃げれる場所がないかずっと見ていた

「ふふふ、そんなにも涙がたまって今にもこぼれそう…私あなたのこと気に入っちゃいました、というか早く颯様のこと教えてくれないと…殺しますよ？この糸きったらあなたなんて簡単に死んじゃうんですよ？」

嘲笑うように僕を見てまた糸を切り始めた
僕の糸はバラバラに結ばれていて、もう何もかも
忘れてしまった記憶も曖昧

「あのさ…さっきから言ってる颯様？って誰？」

僕は頑張って記憶を蘇るが覚えてない誰？
誰なの…僕なんでここにいるの？
僕ってこの人達の仲間……？

「あれ……私ったら颯様との糸も切ってしまったのですね…
まぁいいや、さっきから聞いても教えてくれないし…自分のことも曖昧みたいですね…」

女の人はボソボソ1人で話してる
そうだと女の人は何かを思いついたように

「あなたはね…私たちと仲間なんです…あなた、いや、湊さんはボロボロになってかえってきて今糸を治そうとしてたんですよ！！」

と言って僕の手を優しく包んだ
ほんとにそうなの……？
何もかも分からない
僕は頭をかかえて立ち上がるすると
ビリッと頭に電気が走って倒れてしまう
僕は考えすぎて疲れてそのまま眠ってしまった

「相手だと言うのにこんなにも無防備に寝てしまうなんて…ちょっとは仲間だと信じてくれますかね？私この子気に入ったからこのままもうちょっと遊んじゃおうかなぁ……ふふふ」

部屋には不気味な声が響き渡った

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