モスカ思考の解答［スパナ］ ページ6
モスカは、全ての返答をイエスかノーかで行っている。
もし自分がモスカなら、こんな訳の分からない感情にとらわれる事はなかっだだろう。
スパナの助手として、私は一日の半分以上の時間を彼の隣で過ごしている。
しかし、スパナに信頼以上の想いを持つ私にとってそれは喜びでしかない。
作成中のモスカの脚部第二七パーツをはめながら、すぐ横で武器を作るスパナを盗み見る。
「…ねぇ、いつもその飴舐めてるけど…、
おいしいの？それ」
手を止めずにいながらも、時折口を動かす事も忘れないスパナを見て、自然に口をついて出てきた言葉だ。
もっとましな台詞を言えないのかと後悔するが、気になるんだから仕方ない。
確かあのロリポップは、スパナ自作の物だったはずだ。果たしてうまいのかどうか。
「…あんたにもあげようか？」
「ん、じゃあ頂戴」
こちらを向いて口をもごもごさせるスパナに、
手を差し出した時。
私の手にあった腹部第三パーツが、ピンと音を立てて転がった。
強い力でつかまれている手首を、現状理解できないまま見れば、影が覆い被さる。
弾む鼓動を感じながら、視界に入った金髪に肩を揺らした。
刹那、唇に感じた柔らかな感触と、流れ込んでくる人工的なイチゴの香り。
目の前で、んくっと声を漏らしたスパナに、やられたと分かったが、熱い吐息を感じるたび、
抵抗する力が抜けていく。
既に粉々になっていた欠片を、もっと粉々にして、やっとの事で飲み込んだ。
体中を熱くしている私とは正反対に、何ともないような顔をして瞳を閉じるスパナ。
その事にとてつもなく苛々して、胸を押し返して唇を離せば、ミニモスカがこちらの様子を伺っていた事に気づく。
恥ずかしくてさらに顔を熱くしながらスパナを睨み付ければ、白い棒をごみ箱に投げ捨てながら、柔らかく笑った。
「…あんた、いつか言ってたよな。
モスカはイエスかノーかで判断を下すって」
「…は、だから？」
まるでジャッポーネの少女漫画のような展開だと頭の片隅で考えながら、再び縮まり始めた距離に後ずさる。
「…イエスかノーかで答えてくれ」
そう言った彼は、私の前にしゃがみこみ、真剣な表情で言った。
「ウチの事、好きか？」
狙っているかのような質問に、唇を噛み締めて、彼の耳元で囁けば。
噛みつくようなキスが、私に降り注いだ。
＊モスカ思考の解答
短く単純に、でも甘く答えて？
＿＿＿＿＿＿
まこにゃん様リク。スパナ激甘のつもりです。
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ものもの - ずっと前に偶然読んでそれが夢霧さんだったとは…。この短編集探していました。「青春短し恋せよ乙女」が当たり前かと思って使っていたのですが、「命短し恋せよ乙女」のもじりだったんですね！長編のほうも読んでいます。尊敬しています！！！ (2014年3月31日 8時) (
レス) id: 2ce098c691 (このIDを非表示/違反報告)
夢霧 - 命さん» 読んでいただき嬉しい限りです。…実は、リクエストをいただいてもご希望通りのような作品を完成させる自信がなく、リクエストは基本お断りしております。詳しい事は"リクエストお断りのお知らせ"よりご覧下さい。本当に申し訳ありません。 (2013年12月12日 23時) (レス) id: 74af34c10f (このIDを非表示/違反報告)
命 - 風とコロネロとマーモンとフランと雲雀恭弥で別々でヤンデレ。５つもリクエストしてしまうことになりますがよろしくお願いします。 (2013年12月9日 3時) (レス) id: f5d1fbf7c1 (このIDを非表示/違反報告)
夢霧(プロフ) - 燐花さん» お褒めに預かり光栄です(*^^*)新しく暗めの短編を更新しました。よかったらご覧ください！ (2013年11月30日 19時) (レス) id: 74af34c10f (このIDを非表示/違反報告)
燐花(プロフ) - 夢霧さん» やっぱりそうでしたか！私の周りの方、あまりご存知なくて・・・なんか感激です！ 夢霧さんの作品とっても面白いです！！ 応援してます！！ (2013年11月26日 6時) (レス) id: f45056ee11 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夢霧 | 作成日時：2013年8月11日 16時
