【短編集】君に永遠の愛を囁く

丸井ブン太は幼馴染に幸せになってもらいたい (★) ページ23

「ブンちゃーん！仁王が構ってくれないよー」
「いや、俺に言われても…」
「ねえ、私、なんかしたかな？」
「…人の話聞けよぃ。っつうか、仁王がお前に構わないのはいつものこだろぃ？」
「…そんな悲しいこと言わないで〜〜(泣)」

仁王の彼女であり、俺の幼馴染。
それが、AAだ。
仁王と付き合いだしてから、もう2年も経つ。
仁王とそんなに長いこと付き合っていたやつを、A以外に俺は知らない。
まあ、それなりに、仁王も本気なんだろう。

だが、いつもこんな感じである。
仁王がAを放って、ひとり、屋上にいる。
こんなことはしょっちゅうある。
その度に、俺が励ましている。


でも、本当は。







彼女が好きだった。
好きで、好きで。

ずっと、そばにいるんだと思っていた。
彼女が仁王と付き合いだして。
初めて気がついた。
俺は、幼馴染というポジションで。
ずっと一緒にいるわけではないことに。

好きだった。
でも、君が好きだとは言えなかった。
今までずっと君の側にいたのに。
どうして。
どうして、俺じゃダメなんだろう…。


本当は、今すぐにでも、仁王から彼女を取りたいと思っている。
でも俺では幸せにできないと分かっている。
だから…。



「大丈夫だって！仁王、あれでお前にゾッコンだから！俺が保証するぜぃ‼」




前、二人がデートしているところを見てしまったことがある。
お似合いだった。
見たくなかった。
でも、何より、

見たこともない、Aの笑顔が悔しかった。






好きなのに。
この気持ちは多分届かない。
だから、この気持ちは俺の胸の内に隠す。
でも、苦しくて…。


俺に、ラブレターをくれる子も、呼び出して告白してくれる子も、少なからずいるのに。
どうして。
お前じゃなきゃダメなんだろう。
好きになってくれる人を好きになれたら楽なのに。
それができない。





ずっと見てきた。
だからこそ。
彼女には幸せになってほしい。




「A、幸せになれよ。」
「？突然だね？」
「突然じゃねえよぃ。…突然なんかじゃ…。」
だって、ずっと思ってるから。








好きだ…。





また、心の中の俺が叫ぶ。









かえでさんリクエストありがとうございます

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